艦船模型製作代行のご依頼をいただき、ピットロードの1/700アメリカ海軍航空母艦「CVN-71 セオドア・ルーズベルト」を製作中です。
今回は艦載機の組み立ての最終回として、F-14D「トムキャット」の製作の前編です。これはランナーパーツ全景で、ひとつのランナーに2機分のパーツが備わります。
今回、お客さまよりご用意いただいたランナー枚数は計16枚ということで、製作数は32機にのぼります。
私の長い製作経験でも、同一機種をディテールアップ込みで32機も製作するというのは初めてのことで、作業強度が非常に高いことから、製作記も全3回に分けてご紹介します。
これは、胴体のランナーパーツを切り出した様子。機首側面のゲートは、一箇所だけのものと二箇所のものがあるので、仕上がりを統一するために全機のノーズ側面にヤスリがけを行いました。また、エンジンノズルの付近にも目立つパーティングラインが出ているので、スティックヤスリやカービングナイフなどで整えています。
主翼のパーツは、1ランナーに付き展開状態のものと収納状態のものが一枚ずつ含まれますので、必然的に製作機数は収納&展開状態で半数ずつになります。
各々の主翼を取り付けた様子。ピットロードのF-14D(トランぺッター製)はかなり古い製品ですが、主翼もそこそこ薄く、シルエットはなかなか悪くありません。
胴体と主翼も処理するパーツ数が多いため、それなりに時間をかけてじっくり処理しました。胴体の方は、機首に肉が回っていないものが複数機ありましたので、瞬間接着剤を盛って削るなどの修正処置も、随時行っています。
これで、ひとまず胴体と主翼がひとつになりました。一見すると完成状態に近そうですが、まだ垂直尾翼とタンクのゲート処理&接着に加えて(エッチング化に備えて必要な)脚根元のカウリングの取り付け、そして脚本体の切削などを残しており、それらが終わってようやくエッチングの取り付けに進めるという状態です。
私の長年の製作歴でも、艦載機の工数がここまで多いのは初めてのことですので、慌てて精度を落とすことがないように気を付けつつ進めたいと思います。