艦船模型製作代行のご依頼をいただき、1/350海上自衛隊潜水艦「SS-513 たいげい」を製作しております。

今回は、船体主要部とセイル(上部構造物)の製作をご紹介します。船体は底面にボルト固定用のナットを固定し、続いて両サイドの舷側パーツを接着――、更に艦首を取り付けという順序で進めます。

甲板および船体上部のパーツは艦尾付近のみが別パーツとなっているのですが、これは後差しができない構造になっているので、忘れないように注意します。

なお、艦尾には舷側パーツ左右の合わせ目が出てしまうので、目立たないように処理しておくと完成後の見栄えが向上します。

X舵は、各々が単独パーツとなっています。差し込みダボも長く取られており、角度が正確に決まる点が嬉しいです。

X舵の差し込みを終えた、艦尾全景。舵の断面形状も涙滴型が再現されており、芸の細かさを感じます。

いっぽう、艦首側は艦首パーツと甲板パーツの間には、ちょっとした合わせ目が生じます。ここは塗り分け面を兼ねた分割でもあるので、それほど神経質にならなくても良い場所ではあるのですが、滑らかに整えておくに越したことはありませんので、ポリパテで埋めておきました。

船体主要部の次は、セイルの組み立てに移ります。ピットロードの「たいげい型」は、三菱重工で建造された「SS-513 たいげい」「SS-515 じんげい」と、川崎重工で建造された「SS-514 はくげい」のハッチ形状などの違いを表現しており、差し替え式で両級を作り分けることが可能です。

今回は1番艦の「SS-513 たいげい」の製作ということで、三菱仕様(?)に対応する左右パーツと上面パーツ、そして潜舵をセットして主要部の組み立ては完了しました。

潜望鏡やレーダーなどのパーツ全景。狭い箇所に多数のロッドがひしめきますので、取り付け位置に間違いがないように留意しました。

塗り分け工程の関係で、一部の潜望鏡などは仮付け状態ですが、これで船体の基本部が完成しましたので、次回は塗装と仕上げに進みます。

ピットロードの「たいげい型」は、全周にディテールがビッシリとモールドされ、思った以上に複雑な現用潜水艦の造形美が見事に表現されています。潜水艦モデルは洋上ジオラマ化のネタにも良いですが、ここまでディテールに優れていると、フルハルモデルのミュージアムモデル仕立てにも大きな魅力を感じます。