艦船模型製作代行のご依頼をいただき、トランペッターモデルの1/200戦艦『BB-39 アリゾナ』を製作中です。
今回も前回に引き続き、後部艦橋の製作の続きをご紹介します。
三脚マスト
前回、下地状態で組み上がった三脚マストは、外舷色と白のツートンに塗り分けました。
かなりコントラストが効いた塗り分けだけに、少しでも色の吹込みが起こると目立ってしまうため、マスキングにはかなり気を使いました。
塗装順は、まず艦橋トップの白を先に吹き、支柱やフロア――、羅針艦橋全体をマスキングしてから外舷色を重ねています。
なお、手すりやラッタルなどの表現には、当初、エデュアルドのパーツを使用する予定でした。
必要箇所に応じた塗り分けが完了した、エデュアルドのエッチングパーツが以下の画像です。
しかしこのパーツ、(羅針艦橋下部と同様に)メーカー側のミスが多く、赤丸で示した部分しか使用することが出来ませんでした。
ラッタルは全て、幅が広すぎて取り付け部分に入らず、手すりは場所によっては2コマ分も長く、(フロアの断面部を兼ねている関係から)切り詰めて調整することもできないことから、使用を断念せざるを得ない状況となりました。
KAモデルのパーツを使用する方法もあったのですが、ホワイトエンサインのパーツの方が、トランぺッターの純正エッチングとのマッチングが良さそうでしたので、今回はこちらで補填しました。
エデュアルドのエッチングから差し替えたパーツの全景。
手すりはホワイトエンサイン、ラッタルはKAモデル、そしてフロアの断面部分はトランぺッターの純正パーツという組み合わせになり、後部艦橋のディテールアップには合計4社のエッチングが混在することになりました。
後部マストの全景
エッチングを対空機銃の取り付けを完了した後部マストの全景が以下です。
艦橋トップも白塗装も含め、下地を黒から立ち上げた甲斐があって、硬質かつ重みのある発色を実現できました。
探照灯スポンソンの手すりは、お客さまからお持ち込みいただいた資料に合わせて白塗装としております。
中央部分のクローズアップ。
ラッタルとフロア断面部のディテールが、工業的な美しさを楽しませてくれます。
少し見上げアングルで見ると、フロア下面のディテールも際立ちます。
指数板はエデュアルドのエッチングによるもので、(今回はパーツの不備が多かったものの)この点においては同社のパーツが完成度をおおいに引き立たせてくれました。
後部艦橋単体で見ると、まるで特撮用のプロップか? ロケセットのような佇まいです。
展望台のような武骨な艦橋構造物は、戦間期の米軍戦艦の魅力のひとつといえるでしょう。
次回からは、前部艦橋の製作の様子をご紹介します。