船舶模型製作代行のご依頼をいただき、ホビーボスの1/700ホワイトスターライン「タイタニック」を製作中です。
1/700「タイタニック」上部構造物の取り付け
今回は主要部の組み立ての後編として、上部構造物と煙突の取り付けをご紹介していきます。
まずは操舵室内に羅針盤やテレグラフを配置します。ホビーボス版キットは窓の数も実船と揃えられており、見た目のバランスはこれまで製作してきたタイタニックのキットの中でも最良です。
上部構造物の取り付けを終えた様子。ブリッジ前面パーツと操舵室周りのフィッティングに少し難があったので、一等エントランスからホイールハウスにかけて、基部を少し削りこんで合わせました。
船首のクローズアップ。クレーンの環座下部にはウッドブラウンを差し、ブルワーク内側と塗色を統一しています。
第二~第三煙突の間に見える中二階状の構造物は(Aデッキから繋がる)一等ラウンジで、第四煙突の下には同じ高さの一等喫煙室が備わります。
これらの中二階状の施設は、従来のタイタニックキットではAデッキを貫通する形で表現されることが多かったのですが、ホビーボス版は上下で分割されており、隙間が出ない設計になっている点が嬉しいです。
主要構造物の取り付けを終えた、1/700「RMS タイタニック」の見下ろしアングル。マストの取り付けがまだですが、見れば見るほど素晴らしいバランスで、1/700のこのスタイルの良さはもはや画期的という気がします。
「RMS タイタニック」を扱った映画の紹介
なお余談ですが「タイタニック」をテーマにした映画は、有名なキャメロン監督作品を含めて20作ほど製作されているようでして、私も全てを見たわけではないのですが、ジーン・ネグレスコ監督、クリフトン・ウェッブ主演の「タイタニックの最期」は個人的に気に入っている作品です。
キャメロン版が、身分の異なる男女のラブロマンスと、時間を越えた再会劇をメインに据えているのに対し、ネグレスコ版は家族の絆や親子の愛をテーマにしたストーリーとなっており(様々な背景を持つ登場人物たちの群像劇と共に)たいへん見応えがあります。「タイタニック」に興味のお持ちの方で未見の方は、ぜひチェックなさってください。
ホビーボスの「RMS タイタニック」は1/700としてはかなり高額とあって、購入に二の足を踏む方も多いと思われますが、繊細なディテールとバランスの良さは価格以上のものと納得しました。願わくば、このレベルで1/350版の登場を願いたいところです。(次回は小物の取り付けに進みます)