船舶模型製作代行のご依頼をいただいて製作していた、ホワイトスターライン1/700「RMS オリンピック」が完成しました。本日は完成写真をご紹介します。
ホビーボス1/700「RMS オリンピック」全景写真
ホワイトスターライン1/700「RMS オリンピック」、左舷船首側からの全景。1/700「RMS オリンピック」のキットは、ドイツレベルとホビーボスから発売されていますが、この作品はホビーボスのキットをベースに製作しました。
ホワイトスターライン1/700「RMS オリンピック」、右舷船尾側からの見下ろしアングル。ホビーボスのキットは第一次世界大戦時の迷彩塗装&武装装備状態で設計されているため、各種武装を解除し、不要な搭載品を降ろしたうえで塗装変更し、1913年頃の商船時代に逆改造しました。
右舷からのローアングルでのカット。姉妹船「RMS タイタニック」「RMS ブリタニック」との目立つ識別点として、プロムナード外壁が全て吹き抜けになっている点が挙げられます。
左側面からの全景。1912年の「RMS タイタニック」沈没事故の影響により、救命ボートがそれまでの約3倍の56隻に増備されました。側面から見ると、2段積みのボートがデッキを隙間なく取り囲んでいる様子が良くわかります。
ホビーボス1/700「RMS オリンピック」詳細写真
船首から第二煙突にかけてのクローズアップ。操舵室天蓋の羅針盤とブルワークはいつ追加されたのかは定かではありませんが、商船時代の写真にも多く確認できるため、キット付属のプラパーツ&エッチングを使って再現しました。(前部マストの見張所は、キットでは二箇所に設定されていましたが、商船時は時期に関わらず一箇所で間違いなさそうです)
別角度から。ディテールアップには、アカデミーキット用のレインボーモデルパーツを使用し、手すりやラッタル、シュラウド、クレーン、デッキチェアなどを流用しました。(階段室天蓋の格子や船尾ウイングなどは、残念ながらサイズが合いませんでした)
第1~第4煙突にかけてのクローズアップ。2段積みのボートが所狭しと並び、外観的には秩序のある整った船容に見えますが、デッキからの眺めの良さは失われている様子が良くわかります。
船体中央部からボートデッキ後端部にかけての様子。舷側の外板継ぎ目のディテールも程よく、フルハルモデルとしてはもちろん、洋上モデル化にも適したキットです。(作品は吃水線下を切り取って洋上化しました)
第4煙突出口は、実船同様に蒸気配管とメクラ蓋が再現されています。キットには12ポンド砲と4.7インチ砲、更には兵員輸送用の大量の小型艇、探照灯などを取り付けるように指定されていましたが、商船化にあたってそれらは未取り付けとしました。
船尾楼デッキから船体中央部にかけての様子。海面ベースは、いつものようにジェルメディウムとマグネシムパウダー、ハイグロスバーニッシュなどで自作しました。キャメロン監督作品「タイタニック」を参考に、実船の全速航行をイメージした仕上げです。
オマケ画像。写真左手前が「RMS タイタニック」右奥が「RMS オリンピック」です。2隻が力強く並んで航行する姿からは、世界を支配した大英帝国の威信が感じられます。
お客さまからお送りいただいた展示画像
最後に、今回の1/700「RMS タイタニック」と「RMS オリンピック」 の製作をご依頼いただいたお客さまよりお送りいただいた、展示画像をご紹介します。タイタニック号のイラストや石炭などのグッズとご一緒に大切に展示いただいき、製作者として感謝に絶えません。
今回の「RMS オリンピック」製作は、姉妹船「RMS タイタニック」の製作と同時進行という事もあり、少々進捗に時間がかかりましたが、そのぶん仕上がりのレベルを統一することができ、興味深い体験となりました。
「RMS オリンピック」は、様々な意味で有名になってしまった「RMS タイタニック」と比較して話題になることが少ない船ではありますが、長い就役期間に数多くのドラマを生んだ名船でもありますので、製作する機会(と、ブログにて紹介させてただく機会)を持てたことに感謝申し上げます。