艦船模型製作代行のご依頼をいただき、1/700巡洋戦艦「フッド」を製作中です。

今回は主砲塔をはじめとした、武装類の製作を駆け足で紹介して参ります。まずは主砲塔本体からですが、4基ある主砲塔は(一見すると似てますが)細々とした部分が全て異なります。

写真左側から第1~第4主砲塔の順です。この角度では確認しづらいですが、各砲塔は測距儀や砲座の有無のほか、後部の面構成や砲室下部のディテールに違いがあります。

主砲身はスライド金型で綺麗に抜けていますが――、

今回はフライホークの豪華版に付属の真鍮挽物パーツに切り替えました。キットパーツのキャンバス部を残して砲身を切り取り、取り付け穴を開けて接着します。

組み立てと塗装を終えた主砲塔全景。防水キャンパスの塗色には、ガイアノーツのグレーサフを使用しました。

塗装前の画像ファイルを破損してしまったので掲載できなかったのですが、第二砲塔上部の砲座は、フロア&ブラケット、手すりが豪華版付属のエッチング、ブルワークが豪華版付属の3Dプリントパーツという凝った構成になっています。また、第三主砲塔天蓋のフレームも豪華版付属のエッチングにて表現しました。

続いては対空兵装の製作です。今回は複数のディテールアップパーツを用意しておりますが、実はフライホークの英国艦の対空兵装は、ヘタな社外ディテールアップパーツを使用するよりよほど精度が高いので、今回はキット&豪華版付属パーツで統一しています。(写真は8連装ポンポン砲のランナー全景)

まずは10.2cm(50口径)連装高角砲ですが、この砲は砲身を豪華版キットに付属の真鍮挽物砲身に切り替えました。必要数は7基ですが、なぜかキットには計13基ぶんのパーツが封入されていました。(←それと真鍮パーツの取り付け指示も、説明書には未記載でした)

こちらは20連装ロケット(通称UP)発射機です。日本海軍が十二糎二八連装噴進砲を実用化したのが1944年ですが、英国海軍が1940年の時点で対空ロケットを搭載していたのは興味深い事実です。

写真左側は、ヴィッカース2ポンド4連装機銃とオチキス3ポンド砲。そして右側は英国海軍の対空兵装としては非常に人気が高い「2ポンド8連装ポンポン砲」です。フライホークのポンポン砲はメリハリの効いたモールドが非常に魅魅力的で、弾帯を塗り分けることで実感的なディテールに仕上げることができます。

主砲塔を仮置きすることで、いよいよ完成イメージが見えてきました。まだまだ甲板上の小物や手摺り&ラッタル、艦載艇などを残しているので、最後まで集中力を切らさずに進めていこうと思います。

フライホークの英国艦用高精度プラパーツは(私も艦スぺの過去作例などで愛用しており)精度&組み立て易さともに、たいへん気に入っている製品なのですが、8連装ポンポン砲は(ファインモールドとの競合を避けるためか?)単品販売されていないのが残念です。
なお話題は変わりますが、ドイツ艦用の対空火器は、現状では決定版といえるレベルのパーツがまだ市販されていないので、いつかは同レベルの市販品が揃う日がくれば良いなと願っております。