船模型製作代行のご依頼をいただき、1/350原子力潜水艦「トゥーラ デリフィン デルタIV型」の製作記をご紹介します。1/350スケールの潜水艦としては非常に大きく、ディテールも充実しているキットですので、ぜひ完成までご覧ください。

キットはズベズダ製で、実艦はソビエト連邦海軍によって開発された「プロイェクト667BDRM」型というクラスで、当初12隻の建造が予定されていたものの、ソ連崩壊により7隻で建造が打ち切られました。全長167mという大型の船体とあって、海上自衛隊の通常動力潜水艦と比較すると、2倍ほどのボリュームを感じます。

船体形状はかなり複雑で、潜水艦キットとしては外板パーツがかなり多めに分割されています。内部にはフレームも備わりますが、まずはマスキングテープで仮止めし、ケースサイズの選定と全体的なイメージの確認をおこないました。

このキットの面白いところは、垂直発射管の一部が内部フレームを兼ねている点です。これは、組み立て前と組み立て後の比較写真で、発射管内部の円筒が再現されているほか、内部に収まるミサイルも別パーツとして用意されています。

仮組した船体に収めた発射管。この発射管は、開けた状態と閉めた状態を選択できるように設計されているのですが「もし開閉可能なら、そのように仕上げてほしい」というお客さまのご要望があったので――、

まずは実現可能かを調べるために、開状態のハッチを組みました。このパーツは表側と裏側の2枚に分割され、厚みのある表現がリアルです。

このパーツは開状態がデフォルト設定ですので、まずは開けた状態で仮組み。ここまでは順調だったのですが……

残念ながら、このパーツで閉めた状態にすると大きな隙間が生じてしまいます。この開口部用のパーツもあるのですが、接着前提となってましたので「開閉不可能なら閉めた状態で」とのお客さまのご要望に従い、ハッチは閉めた状態での製作する方針に決まりました。

今回の製作にあたり、お客さまからは実艦や塗装資料などを多く送っていただきましたので、なるべく忠実に仕上げていく予定です。なんせ大きな船体ですので合わせ目の処理などには気を使いますが、潜水艦らしい塊感のある完成度を目指しますので、ぜひ最後までご覧ください。
「奈良模型愛好会 秋展2025」のご案内
今週末、奈良市の「サンタウンプラザ すずらん館」にて「奈良模型愛好会 秋展2025」を開催します。私、モデルファクトリーハイギヤードの渡辺真郎と、所属モデラーの辰井康泰、インパルス両氏も作品を出展しますので、ぜひご注目ください。
上記リンクはYouTubeチャンネルでの紹介。ぜひチャンネル登録と高評価をよろしくお願いいたします。
なお、展示会の詳細は、以下のブログ記事にも掲載中! ぜひご覧ください。