艦船模型製作代行のご依頼をいただき、1/350原子力潜水艦「トゥーラ デリフィン デルタIV型」を製作中です。

製作記の第3回目となる今回は、船体各パーツの合わせ目処理の前編と、船体上部組み立てをご紹介します。

まずは前回の最終工程で取り付けた艦尾部分ですが、合わせ目が非常に目立つ箇所ですので、GSIクレオスの「Mr.セメントSP」を多めに流して圧着し、プラを溶かしてはみ出させました。

続いては、アクリルケースの台座と船体を固定する金具の取り付けです。今回はアドラーズネストの「真鍮飾り脚M」を使用するので、140mm間隔で取り付け穴を開口し、裏側にナットを仕込みました。

ナットの取り付け眼完了したらデッキの取り付けに進めるので、船体上部も組み立てを進めます。上部は垂直発射管が並ぶデッキ部分のほか、左右の側面部が別パーツになっているのが特徴です。

このような複雑なカーブを描いた側面パーツは、どのようなキットでも「合わないのが基本」ですが、ズベズダキットも例外なく合わず、そのまま貼り付けると中央部が3mmほども開いてしまいますので――、

多少長さを調整しつつ、複数のピンチや洗濯ばさみを駆使して強制接着しました。写真の絵面的には最悪ですが(笑)、最終的にはこのような配置でなんとか隙間なく収まりました。(長さを調整といっても、必要なモールドまで落とすわけにはいかないので、加減が問われます)

船体基本部の接着が終わった段階で、いったんグレーサフを吹いて表面状態を確認しました。この写真は引きで撮っているので、それなりに上手く仕上がっているように見えますが、実際のところはガタガタですので、次回の工程にて、修正の様子をご紹介します。

潜水艦といえば、船体形状もシンプルで簡単そうなイメージがありますが、そのぶんちょっとした歪みや合わせ目処理の不完全さが目立ってしまいますので、考え方によってはかなり難易度の高いジャンルと言えます。特に海外キットーー、しかも1/350スケールの長大な原潜ともなると、基礎的な工作力が問われますので、焦らずに完成度最優先で進めていこうと思います。