艦船模型製作代行のご依頼をいただき、1/350原子力潜水艦「トゥーラ デリフィン デルタIV型」を製作中です。

前回までに船底部の塗り分けを終えたので、今回は船体上部の塗り分けを開始します。上部は黒塗装なので、すぐに黒を塗ってしまいたくなりますが、まずは白線のホワイトを先に吹き、細切りマスキングテープでマスクしました。

艦尾付近は少々複雑なラインになっていますが、真横から見た時に水平に見えるように、微調整を繰り返しながら貼りました。なお、テープはこの写真の段階では0.7mm幅のものをしようしていますが、のちほど確認したところ、少し太すぎるように思われたので、0.4mm幅のテープに貼りなおしました。

外舷色の黒を重ねた様子。使用塗料は、普段は下地塗装に使うことが多い、ガイアノーツの「サーフェイサーエヴォ ブラック」です。

船底と白ラインのテープを剥がし、美しく塗り分けられた船体が姿を現しました。組み立て直後はガタガタだった艦尾部分も、念入りな合わせ目処理で滑らかに仕上がっています。

セイル上部の指揮所や潜望鏡の開口部は、お客さまからいただいた塗装資料を参考に塗り分けました。赤い部分は、船底の下地にも使用した、「Mr.サーフェイサー オキサイドレッド」、ブルーの部分はフィニッシャーズカラーの「フォーミュラフレンチブルー」を使用しています。

続いてはデカール貼りです。キットのデカールは、お客さまのご要望で旗とセイル前部の紋章を省略し、白ラインも塗装で表現したので、枚数はそれほど多くありませんでした。

ちなみに、デカールを貼るときの便利グッズですが、私はプラモ向上委員会の「デカーリングQuickトレイ」を愛用しています。内部に水を入れ、スポンジ付きのトレーを上げ下げすることで、デカールに吸わせる水分を好み(やデカールの品質)に合わせてコントロールできるスグレモノです。

デカールを指定通りに貼り、塗装表現の白線ともうまくマッチングしてくれました。次回は、小物類の制作とウェザリングの工程をご紹介します。

シンプルながらも細かな修正に手数を必要とした、1/350原子力潜水艦「トゥーラ デリフィン デルタIV型」ですが、次回は潜望鏡やスクリューなどを取り付け、製作記も最終回となります。非常に見応えのある完成度に仕上がって参りましたので、ぜひ最後までご覧ください。