艦船模型製作代行のご依頼をいただき、フジミの1/700重巡洋艦「高雄」を製作中です。

前部艦橋に引き続いて、本日はバンカースタジオ製のマストの3Dプリントパーツをご紹介します。製品は前部マストと後部マストに別れていて、1944年の高雄対応マスト「IJN70133」「IJN70138」ともに、フジミ&アオシマ用で共通となっています。

前部マストのパーツ全景。21号、13号電探ともに一体で抜かれており、フットロープなどのエッチングパーツも付属します。サポートは少なく、フレームも丈夫に出力されていて、安心感が高い設計です。

こちらは後部マストの全景。クレーンは別パーツとして出力されており、ケーブルなどはエッチングパーツで用意されています。

切り出し後の前後マストの3Dパーツ。作業中の破損防止には気を使いますが、サポート数が少ないこともあり、艦橋などと比較して作業はスムーズに進みました。

ただ、前部マストは(アオシマ用と共通ということもあってか?)多少の調整が必要になりました。これは艦橋、煙突、マストを仮組した様子ですが、煙突前部のラッタルの手摺りは、マストのフロア下部に干渉することと、マスト側の前部の支柱が少しく長く、後部の支柱が浮いてしまう問題が発生。
とはいえ、修正はそれほど難しくはなく、画像で示した赤と黄色の干渉部分を切り詰める方法で後部の支柱を着地させました。

修正後の仮組み状態。写真では分かりづらいですが、後部の支柱も着地して隙間なく収まりました。

後部マストは特に問題もなく「切り出し→置き換え」のみの工程で済みました。この繊細なディテールを見ると、やはり飛行機運搬軌条や射出機あたりはエッチング化に変えておいた方が引き立つ気がします。

バンカースタジオの1/700重巡洋艦「高雄」用3Dプリントパーツは、前部マストのみ微調整が必要でしたが、その他は概ね調整なしでスムーズな置き換えが叶いました。次回は3Dプリントパーツ紹介の最後として、主砲塔をご紹介します。


