艦船模型製作代行のご依頼をいただき、フジミの1/700重巡洋艦「高雄」を製作中です。

今回は、バンカースタジオの3Dプリントパーツを含む上部構造物の位置決めと接着、航空艤装の製作などをご紹介します。高雄の上部構造物は相当、複雑に入り組んでいるので都立順に悩むところですが、まずは第一煙突を仮置きしつつ、外部通路の位置などを順番に決めていきます。

煙突の前端に前部艦橋を被せ、第一~第二煙突艦の通路を取り付けます。ここは待機所のみキットパーツを使用し、足場はフライホークのエッチングに切り替えました。

煙突周りの足場とスポンソンは5種類、計9枚にも及びます。取り付け順によっては、後付けが難しくなる箇所がありますので、もっとも組みやすい順序を図で示しました。なお、黄色の探照灯架台の下にはもう一枚、通路が隠れているので、黄緑の機銃座の次に取り付け、黄色の架台を重ねる順序で進めます。

通路とスポンソンなどを取り付け、対空兵装と探照灯を設置した中構付近。高角砲射界制限枠は、フライホークのエッチング取り付けています。艦載艇の接着も、このタイミングで済ませました。また、キット&フライホークパーツの両方で省略されている機銃射撃指揮装置は、ナノ・ドレッドシリーズのパーツで補填しています。

続いては航空艤装の製作です。射出機はフライホークのパーツで、1/700艦船用としてはオーソドックスな構成で、組み立てと塗装も比較的スムーズに済みました。

艦載機は、キットの説明書に記載されていた機数、水偵×2機、零観×1機の計3機を製作しました。フライホークのエッチングを使用し、プロペラを追加したほか、風防やフロート支柱などにもディテールアップを施しました。

手すりやラッタルには、フジミの純正エッチングパーツを使用しました。フライホークのパーツは概ね高精細ですが、手すりに関しては少々大雑把で、シアーなどもそれほど正確ではなく、シェルターデッキ上の坂に対応する手すりも含まれていないので、純正パーツは非常に安心感があります。

手すりとラッタルの取り付けと並行して、ダビットや洗い場、旗竿などのエッチングも取り付けました。フライホークの洗い場は、かなりメリハリが利いた造形です。

艦橋左右の9mカッターにはクライプバンドを取り付け、舷梯も装備しました。フルハルモデルならではの機能美を感じさせる仕上がりです。

今回のご依頼には空中線の取り付け指示はないので、あとは艶消しクリアーでコートし、スクリューと菊花紋章を取り付ければ完成となります。次回は、バンカースタジオの3Dプリントパーツとフライホークのダイヤモンドシリーズのスーパーディテールセットで生まれ変わったフルハル高雄の完成写真を掲載しますので、ぜひご覧ください。


