艦船模型製作代行のご依頼をいただき、1/700巡洋戦艦「フッド」を製作中です。

今回は艦橋頂部の指揮所とクロスツリーの製作をご紹介します。まずはクロスツリーですが、豪華版のパーツでフルエッチングで組めるのは良いのですが……

集合部の高さが合わない箇所があります。こうした事象は「フライホークあるある」でして、寸法(縦横比)にミスが生じていました。

なお、寸法ミスが生じていたパーツについては何の説明もなく、小さな別枠に修正版が封入されていました。豪華版付属のエッチングには、ほかにも8連装ポンポン砲の手摺りが足りていないなど、細かな問題があったのですが、それらも追加パーツが同じ枠に用意されています(←せめて説明書に一言加えるか? 別紙での解説が欲しいところです)

信号ヤードは真鍮線で組みました。真鍮線同士の接着には、UV硬化型の瞬間接着剤が便利です。定盤や定規の上に真鍮線を並べ、接合部に接着剤を少量付けて、位置が決まったらライトを照射する要領でやると合理的です。

三脚檣と指揮所&信号ヤードを取り付けた前部艦橋全景。第二次大戦時の艦艇としてはクラシカルな構造美が魅力です。

レーダーやアンテナ類には、豪華版付属のエッチングを使用しました。これらのパーツを使用するには、キットのプラパーツの不要部のカットが必要になるのですが、説明書にはその点が明示されていないので、組み立ての際には注意が必要です。

塗装を済ませ、窓やフットロープには艶消しブラックを差しました。これで主要構造物も揃い「フッド」の全容が見えてきました。

パーツの寸法ミスや、修正パーツの封入を知らせていないなど、今回もフライホークらしい細かいエラーの洗礼を浴びましたが、主要パーツの不足や封入ミスなどがないのは幸運でした。
フライホークのキットはパーツ単位で見ても品質が高く、フィッティングも概ね良好ですので、あとはユーザービリティを向上し、最低限の検品がなされればと切に願います。
●これまでのフライホーク地雷への被雷経験
・リュッツォウにデアフリンガーの甲板が封入されていた
・高雄のエッチングの航空甲板の代わりに大和の副砲パーツが封入されていた
・バンカーヒルにデカールが入っていなかったetc