艦船模型製作代行のご依頼をいただき、フライホークモデルのイギリス海軍1/700戦艦「アイアンデューク」の製作を開始しました。
通常、製作記の初回はキットと主要パーツを一気に紹介することが多いのですが、今回はキットの内容が非常に充実しておりますので、まずはキット本体を詳しく紹介のうえ、別パーツについては今後の記事の中でご紹介します。
1/700戦艦「アイアンデューク」豪華版の詳しいキット紹介

今回製作するのはフライホークの1/700戦艦「HMS アイアンデューク【豪華版】」です。アイアンデュークはアイアンデューク級戦艦ネームシップとして1914年に竣工し、第一次世界大戦の開戦と共にグランドフリートに編入。旗艦を務めたのち、ユトランド海戦に参加して戦艦「ケーニッヒ」、駆逐艦「S35」に命中弾を与えました。

今回は製作記の初回という事で、豪華版のキット内容を詳しくご紹介します。まずは船体の主要パーツの全景で、キットは洋上モデルとして設計され、フルハルには対応しておりません。船体は長船首楼型で、4~5番砲塔を上甲板に設置。3番主砲塔と後檣のデッキは一段上がった構成となっています。

後檣周りのデッキと前部艦橋基部などには一体成型パーツが用意されて側面ディテールも充実していますが、大きな張り出しや入り組んだ箇所には別パーツも複数用意されているので、忘れずに取り付けます。

主要構造物のランナーパーツ全景。煙突はスライド金型で一体成型されており、外周部全面に細やかなディテールが施されているほか、出口も最初から開口されていて素晴らしい仕上がりです。

武装と艦載艇のランナー全景。第一次大戦期の欧州艦艇の常として、多種多様な艦載艇が数量も豊富に用意されています。

ここからは、豪華版キットに付属のディテールアップパーツのご紹介です。エッチングパーツは計4枚が付属していますが、ディテールアップパーツとして用意されているのは3枚で、下段の右側(ダビットなど)は通常版にも付属している標準パーツです。

真鍮挽物武装用の砲身が3種とキノコ型通風筒が付属し、更にはマスト用の真鍮線が用意されています。キノコ型通風筒の挽物パーツが標準で付属しているキットは、なかなかレアではないでしょうか?

他には、副砲ケースメイトの3Dプリントパーツも付属しますが、今回は完全に見えない箇所になること(と使い勝手の関係)で、使用は見送りました(製作記【その3】にて後述)

海外メーカー製キットのプラパーツは、離型剤の脂分が強く付着していることが多いので、まずはファインモールドの「ご機嫌クリーナー」で脱脂の処理をおこないました。このクリーナーは吹き付けてしばらくしてから水で濯ぐだけで手軽に脱脂できるので、繊細で破損しやすい艦船模型パーツの脱脂にも安心して使用できます。

日本では比較的なじみの薄い第一次世界大戦時の欧州海軍艦艇ですが、フライホークはこのジャンルの艦艇を精力的にリリースしており、英国海軍ファンのモデラーや、第一次大戦史に興味のある層から大変人気があります。
大艦巨砲主義のど真ん中で誕生した戦艦でもありますので、製作記を通じてその魅力をお伝えできれば幸いです。
その他のユトランド沖海戦参加艦艇の1/700模型製作記へのリンク
戦艦「アイアンデューク」製作記を開始するにあたり、これまで当工房で製作しきた「ユトランド沖海戦」参加艦艇の製作記を、以下にリンクしておりますので、ご興味のございます方は是非ご覧ください。

イギリス海軍1/700戦艦「HMS クイーンエリザベス」

イギリス海軍1/700戦艦「HMSエジンコート」

帝政ドイツ海軍1/700「SMS 巡洋戦艦 リュッツォウ」