艦船模型製作代行のご依頼をいただき、フライホークモデルのイギリス海軍1/700戦艦「アイアンデューク」を製作中です。

船体の基本部を終え、次は武装類の製作です。これはキットの主砲塔のパーツ全景で、砲室床面と覆い&砲身というシンプルな構成です。

なお、主砲塔は今回用意していたアーティストホビーのディテールアップセット(コンブリック用)にもレジンの砲塔が付属しているのですが、成形状態の誤差が大きく、天蓋が若干凹んでいたので使用を見送りました。

写真左上から右下にかけて1番~5番砲塔の順です。外観的にほとんど違いはないように見えますが、それぞれのパーツが個別にナンバリングされているので、裏側に番号を書いて順番が入れ替わらないように対処しました。

砲身は真鍮挽物パーツに切り替えますが、防水キャンパスにはパーティングラインが少々強めに出ていましたので(砲身を切り取る前に)カービングナイフでカンナ掛けをして仕上げました。

プラ砲身は切り取ってキャンパスに取り付け穴を開け、豪華版キット付属の真鍮砲身に植え替えます。

また、デッキや構造物上の小口径砲も塗装に備えて切り出し&組み立てを済ませました。ここにも真鍮砲身が用意されているので、プラ砲身を切り取って真鍮パーツに切り替えています。

最後に副砲ですが、ケースメイトが3Dプリントパーツで用意されていたものの、反りが強い点と(完全に見えなくなることから)ディテールを活かすことができず、接着性の面でもデメリットが多かったので――、

キットのプラパーツの方を使用しました。主砲塔とは異なり、副砲ケースメイトはダボや取付穴のサイズ&形状がナンバーごとにはっきり異なるので注意が必要です。

砲身を真鍮パーツに切り替え、前部デッキの内側から取り付けた様子。このまま一気に接着したくなるところですが、このあとエッチング製のカバーを取り付けるための位置合わせが必要になりますので、甲板接着のタイミングではまだ副砲の旋回部はフリーにしています。

エッチングのカバーを取り付けて旋回位置が決まれば、流し込みセメントを流して接着完了となります。このように、ケースメイトは全く見えなくなりますので、流し込みセメントで位置決めができるプラパーツを使用する方が合理的です。

船体全景。副砲は計12門装備され、艦首側以外に第5主砲塔の左右両舷にも一門ずつ備わります。

対空兵装という概念がほとんどない時代の戦艦だけに、武装はどれも質実剛健としていてたいへん魅力的です。次回は塗装と木製甲板の貼り付けなどの工程をご紹介しますので、ぜひご覧ください。