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1/350戦艦「大和」艦スぺ過去作例の改修(2024年)

2024年12月23日

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1/350戦艦「大和」艦スぺ過去作例の改修(2024年)

2024年12月23日

ただいま、業務の方はメディア掲載作例の製作に集中しておりますことから、本日からはストック記事をご紹介します。
第一回目の今回ご紹介するのは、2019年発売の「艦船模型スペシャル No.71」の巻頭と表紙用に製作した、1/350戦艦「大和」の作例の改修作業です。

約6年前の作例を小改装してリメイク

1/350戦艦「大和」艦船模型スペシャルNo.71掲載作例の改修

こちらが「艦船模型スペシャル No.71」掲載の1/350戦艦「大和」。私自身の模型誌作例の代表作でもあり、私を作例ライターとして大いに引き立ててくださった真島栄二編集長の艦スぺ引退の号の巻頭&表紙作例として、非常に思い入れの深い一作です。

主砲、副砲身をバンカースタジオパーツに切り替え

完成からおよそ6年を経たこの作例ですが、その後、次々と発表される大和型用ディテールアップパーツなどの情報もあり、いつか少しずつでも良いので「手を加えてリファインしたい」という想いがありました。今後の追加のディテールアップは段階的となる予定ですが、今回は「奈良模型愛好会」の展示会への出展に合わせ、最初のステップとして、主砲身の新パーツへの交換を試みました。

1/350戦艦「大和」艦船模型スペシャルNo.71掲載作例の改修

リファイン前の主砲塔全景。もともとはポントスモデルのパーツセットに付属の真鍮製砲身と、ライオンロアのセットに付属のレジン製防水キャンパスを組み合わせていましたが(仰角を変えられるように)未接着の差し込み式にしていることから、防水キャンパス上に隙間が生じる点や、正位置に固定した際に仰角にバラつきが出るのが悩みでした。

1/350戦艦「大和」艦船模型スペシャルNo.71掲載作例の改修

そこで、今回の改修では差し替え機構を止め、正位置への接着固定に仕様変更をおこないました。これは、改修に当たって約6年ぶりにベースと本体を分離した様子です。

主砲身は、バンカースタジオの品番IJN35106の製品を使用しました。これはパーツの外箱全景で、主砲身以外に副砲身も含まれます。(今回は主砲身のみ使用しました)

バンカースタジオの主砲身は、このような仕上がりです。最も売りにしているのが、開口された砲口にライフリングが施されている点で、この点では金属砲身より進んだディテールが表現されています。

未塗装では分かりづらいライフリングですが、内筒をシルバー塗装することで、ディテール感が際立ちました。肉眼ではほとんど確認が困難なレベルではあるのですが、こういうところが実艦と同じメカニズムになっていると満足度が高まります。

砲身外側は(大和本体の塗装時と同様に)光の当たる部分と影になる部分、そしてその中間部分の3色の塗色を調色し、グラデーションをかけた塗装を施しました。

主砲身と同様に、防水キャンパスもバンカースタジオの品番IJN35104のパーツに交換します。このパーツはバンカースタジオの砲身側との相性も良く、セットで使うことでディテールバランスの向上にも一役買ってくれます。

パーツ全景。仰角は3種が用意され、組み合わせ方によっては交互射撃や扇状に仰角を広げた様子も表現できるので、動きのある情景にも適しています。(今回は正位置用のパーツで統一しました)

1/350戦艦「大和」艦船模型スペシャルNo.71掲載作例の改修

写真右側が、従来の「ポントス砲身+ライオンロアキャンパス」の組み合わせで、左側がバンカースタジオパーツで統一したリファイン後です。バンカースタジオの砲身は、ライフリングのほかに、外筒砲固定リングもメリハリが効いた造形となっています。

1/350戦艦「大和」艦船模型スペシャルNo.71掲載作例の改修

リファインを終えた砲身を船体に設置。リファイン前と比較すると、仰角も綺麗に揃ってくれて仕上がりが向上しました。

海面ベースにも追加工

1/350戦艦「大和」艦船模型スペシャルNo.71掲載作例の改修

砲身のリファインとともに、海面ベースにも少し手を加えました。これは施工前の様子で、白波にボカし塗装を加えた他、さざ波の部分にハイグロスバーニッシュを重ねて海面の艶感を向上させました。

また、長年の展示によって収縮が生じていた前甲板の空中線を張り直し、その他の気になる箇所にも順次補修をおこないました。本作例は、2024年の「奈良模型愛好会 秋展」にも出展し、多くのご来場者の皆さまからご好評をいただきました。

代表 渡辺真郎
代表 渡辺真郎

私の趣味の一つともいえる(?)【過去作リファイン】ですが、今回は代表作の1/350戦艦「大和」に手を入れました。この作例には、今後もまだまだやりたいことが出てくると思いますので、今後のプランをじっくり検討していこうと思います。
なお、次のリファイン予定は、ハセガワ1/350戦艦「三笠」(2006年製作)を予定しておりますので、こちらもぜひご期待ください。

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メディア掲載情報

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展示会出展情報

「奈良模型愛好会 春展2025」

  • 日時:未定
  • 開催場所:サンタウンプラザ すずらん館(予定)

常設展示情報

  • 自衛隊奈良地方協力本部(奈良第2地方合同庁舎)玄関ロビーに1/35「陸上自衛隊 74式戦車」展示中
  • ミリタリースケール専門店「ホビーランド」に、1/700戦艦「霧島」展示中
  • 「ジョーシン和歌山店 キッズランド」に、1/700航空戦艦「伊勢」、航空母艦「ワスプ」展示中

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渡辺 真郎まさお

艦船模型製作代行 モデルファクトリーハイギヤード 代表

2001年3月から艦船模型の製作販売をおこなう。模型製作会社への就職を経て独立。2010年にモデルファクトリーハイギヤードを開業。
模型製作代行のほか、模型誌の作例記事・連載企画、考証記事を執筆。
モデルアート社出版『月刊MODEL Art』『艦船模型スペシャル』、イカロス出版『モデリングガイド』など。

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