艦船模型製作代行のご依頼を頂いて製作していた、1/700ソビエト連邦海軍重巡洋艦(計画艦)「スターリングラード」が完成しました。本日は完成写真をご紹介します。
1/700重巡洋艦「スターリングラード」全景写真
1/700ソビエト連邦海軍重巡洋艦(計画艦)「スターリングラード」、左舷艦首側からの全景。スターリングラード級の1/700キットは、コンブリック製をはじめ、ダチョウモデル、トライアンフモデルから発売されていますが、今回の製作にはコンブリックのキットを使用しました。
1/700ソビエト連邦海軍重巡洋艦(計画艦)「スターリングラード」、右舷艦尾側からの見下ろしアングル。スターリングラード級は1951~53年にかけてソビエト連邦海軍によって建造が進められた重巡洋艦の艦級で、実質的には巡洋戦艦に相当する大型艦でしたが、計画途中でヨシフ・スターリンが死去し、2番艦以降の建造が中止。1番艦「スターリングラード」は標的艦に改装ののち、1957年に解体処分となりました。
今回の作品は、対空兵装に「コールチク」や「スメルチ」を装備、レーダーを強化して1980年代頃まで延命された状態を想定した兵装となっています。また、塗装は艦首尾のみが左右非対称となった、変則的なダズル迷彩にて仕上げています。
左舷からの見下ろしアングル。お客さまからは迷彩塗装の詳細な資料や塗色のご指定をいただき、なるべく忠実な姿としました。使用した塗料は(艦船には珍しく)パール&マイカ系を多用しており、独特の風合いに仕上がっています。
右舷からのローアングルでの全景。資料と模型では構造物の形状や比率が異なる箇所がいくつかあり、舷側と上部構造物の塗り分けラインを揃えるのに苦労を伴いました。
1/700重巡洋艦「スターリングラード」詳細写真
艦首の第一、第二主砲塔から前部艦橋にかけてのクローズアップ。船体や上部構造物、兵装類は全てレジン成形で、主砲身には0.4mm径のドリルで砲口を彫り込みました。
別アングル。手すりにはインフィニモデルの海上自衛隊用汎用エッチングパーツを使用し、マストはキット付属のエッチングと1mm径のプラ丸棒を組み合わせました。
その他、ホイップアンテナは0.3mm径の真鍮線で自作し、前後マスト上部のレーダーにはフライホークのエッチングパーツを使用しています。
艦尾の様子。後部マストも1mm径のプラ丸棒を組み(キットで不足していた)副錨や艦載艇の一部は、ファインモールド製のナノ・ドレッドシリーズのパーツから似た形状&サイズ感のものを流用しました。
その他、空中線は0.1号のメタルリギングで再現し、ソビエト連邦海軍旗はレーザープリンターによる印刷表現としました。
私のモデラー人生の中でも「ミッドウェイ」に続く大型レジンキットであることと、複雑な迷彩パターンも相まって、非常に難易度の高い製作となりましたが(慎重に進めた甲斐あって)纏まりの良い仕上がりを実現できました。
今回の「スターリングラード」のように、当工房「モデルファクトリーハイギヤード」では、お客さまのイメージに近い艦船模型作品をお届けできるよう全力で努めて参りますので、マニアックな艦をご希望の方も、お気軽にご相談ください。
年末にかけてはメディア系のお仕事があるため、次回からは1/700フェリー「さんふらわあ きりしま」の製作記をご紹介します。