艦船模型製作代行のご依頼をいただき、1/350原子力潜水艦「トゥーラ デリフィン デルタIV型」を製作中です。

前回までに船体の基本部の組み立てを終え、グレーサフを全体に吹いたところまで進めました。「引きで見たら綺麗だけど、実際はガタガタ」と最後に書きましたが、艦尾周りのアップはこのような次第で、合わせ目の付近の溶けたプラのはみ出しや合わせ目のスジがまだはっきりと残っています。

艦首周りのクローズアップ。ここも上下の合わせ目が目立ちますが、吃水線下には左右分割のラインも残っています。

側面パーツはフィッティングの悪さから複数のピンチで強制的に接着しましたが、ここも合わせ目に段差が残り、溶けたプラのはみ出しも目立つ状態です。

合わせ目の周りを狙って400番のサンドペーパーをかけ、まずは段差とはみ出しを完全に落としました。ひと通り落としたら、800番のペーパーで処理して、表面状態を整えます。

ここで再びグレーサフを吹けば、残った合わせ目がはっきり見えてきますので、あとはポリパテを使って一箇所ずつ埋めていきます。

合わせ目にパテを擦り込む際には、不要部にパテが付かないように、こうしてマスキングしておくと安心です。今回のトゥーラの場合は船体全体で20カ所程度を処理しました。(パテにはタミヤのポリパテを使用)

パテが硬化したら、はみ出したパテと周りのサフが完全に落ちるまで再びサンディングします。この処理も400番と800番のサンドペーパーを使い分けました。

3回目のサフ吹きを終えた様子。これで合わせ目はほぼ見えなくなり、潜水艦らしいツルンとした一体感がでました。

なお、合わせ目処理の過程で消えたり薄くなったりしたモールドは、スジボリ堂の「BMCタガネ 幅0.2mm」で彫り直しています。直線を引く際には、ガイドテープが便利です。

これで船体主要部の合わせ目処理は完了しました。次は上部構造物の組み立てと合わせ目処理、更に主要部の塗装に進みます。

船体の合わせ目処理は地味な作業と確認、修正の繰り返しですが、完成度を高めるためにはこうした処理が欠かせません。今回は見た目にはあまり進展がありませんでしたが、次回は一気に完成に近いところまで進めますので、引き続きご覧ください。