艦船模型製作代行のご依頼をいただき、1/700装甲艦(ポケット戦艦)「アドミラル・グラーフシュペー」を製作中です。
長らく続いた「グラーフシュペー」製作記ですが、今回が最終回となります。通常は工程の初期に済ませておくことが多い艦載艇ですが、今回は複雑な迷彩パターン&エッチングへの切り替え箇所への対応にリソースの大半を割いていたため、最終段階でようやくの製作となりました。
内火艇はシップヤードワークスのスーパーディテールセットに付属しているパーツで、1/350並の豪華仕様です。レジン船体にエッチングのデッキやキャビン&舵などを取り付ける構成で、部品点数は1隻当たり計14点。
これらは組み立て後に塗り分けるのは難しい形状でしたので、予め部品単位で塗装を済ませてから接着しました。カッターには舵を取り付けています。
デッキへの取り付け後。ボートクラッチは全てエッチングに切り替えているのでフィッティングが少し心配でしたが、無理のない高さ&レイアウトに収まりました。
続いては艦載機の「アラドAr196」。この機もシップヤードワークスのセットに付属のレジンパーツを使用しました。
風防とフロートの支柱、プロペラなどにはエッチングを使用します。シップヤードワークスのAr196は、フロートが左右で作り分けられておらず、片側の取付穴の位置が合わなかったので、瞬間接着剤で埋めるなどの小加工が必要でした。
組み立て&塗装後の1/700「アラド Ar196」。機体上面色は、Mr.カラー17「RLM71ダークグリーン」と18「RLM70 ブラックグリーン」、警戒色の赤は114「RLM23 レッド」を使用しています。(下面はホワイトサフです)
カタパルトに搭載した「アラド Ar196」。ドイツ艦の滑走台は、機首を少し上げた角度に設定されている点が特徴です。
仕上げは、空中線と旗の取り付けです。今回使用したのは、お客さまよりお持ち込みいただいたモデルカステンの「メタルリギング 0.06号」で、普段、私がメインで使用している0.1号より一回り細いリギングになります。
空中線取り付け後の様子。レイアウトは、概ねKAGEROの資料に従いました。最後にUVカット艶消しクリアーで全体をコーティングし、1/700装甲艦「アドミラル・グラーフシュペー」は完成となります。
製作前にも想像はしていましたが、今回の1/700装甲艦「アドミラル・グラーフシュペー」は、これまでの1/700スケール製作代行品の中でもトップ3に入る製作難度でした。その一方で、小型の船体に密集した装備品の数々や、無駄のないレイアウトなど、他の艦にはないドイッチュラント級ならではの魅力が出てくれたと思いますので、次回の完成写真紹介も、ぜひご覧ください。