艦船模型製作代行のご依頼をいただいて製作していた、1/700装甲艦(ポケット戦艦)「アドミラル・グラーフシュペー」が完成しました。
本日は、完成写真をご紹介します。
1/700 装甲艦「アドミラル・グラーフシュペー」全景画像
1/700 装甲艦「アドミラル・グラーフシュペー」、右舷艦首側からの全景。1/700スケールのドイッチュラント級のキットは、フジミとトランぺッターモデルから発売されていますが、今回は(お客さまよりお持ち込みいただいた)トランぺッターキットを使用し、フルハルモデルとして仕上げました。
1/700 装甲艦「アドミラル・グラーフシュペー」、左舷上方からの見下ろしアングル。今回はお客さまより船台風の展示台をご用命いただきましたので、プラ板とプラ角棒にてスクラッチしたものをお付けしました。
右舷艦尾からの全景。ディテールアップにはシップヤードワークスのスーパーディテールセットを使用し、船体舷側、上部構造物、各種武装や艦載機&艦載艇などを満遍なく精密化しました。
また、複雑な迷彩パターンはお客さまよりお持ち込みいただいたKAGEROのCG資料を参考にしました。テープによるマスキングからマスクゾル、筆塗りの全てを駆使して、資料通りの塗り分けを再現しております。
1/700 装甲艦「アドミラル・グラーフシュペー」詳細画像
艦首のクローズアップ。速度の偽装用に施された艦首波の迷彩が特徴的です。司令塔前の目玉のようなマークは(お客さまのご要望にて)KAGEROの資料とは別の資料に従ったものとしました。
前部艦橋から煙突にかけての様子。前部艦橋の角窓や水密扉、スポンソン、主砲射撃指揮所などは全てシップヤードワークスのエッチングに切り替え、キットパーツで使用したのは芯になる部分のみです。
別角度。主砲および副砲身は真鍮挽物に切り替え、高角砲にはレジンパーツを使用。その他、機関砲もフルエッチングに切り替え、武装のバリエーションが多いドイツ艦ならではの機能感あふれる仕上がりとなりました。
中央構造物の真横からのクローズアップ。迷彩塗装は基本色をメインに側面の濃淡グレー×2色&デッキ色×1色の計3色で仕上げました。資料で分からない箇所については、推定で仕上げています。
艦載艇および(カッター以外の)艦載機も、シップヤードワークスのレジン&エッチングパーツを組みました。前部&中部マストは0.4mm径の真鍮線で自作し、信号ヤードや避雷針、ラッタルなどはシップヤードワークスのエッチング組み合わせています。
後部主砲塔から、艦尾魚雷発射管にかけての様子。後部艦橋の手すりの一部は(お客さまからのご指定により)省略しました。
1/700装甲艦「アドミラル・グラーフシュペー」のフルディテール製作は非常に難易度の高い作業でしたが、小さな船体にあらゆる武装を目いっぱい詰め込んだ同級の魅力が反映されました。改めて第二次世界大戦期のドイツ艦の魅力を再認識させられる思いです。
グラーフシュペーといえば、個人的に思い出すのは1956年の戦争映画「戦艦シュペー号の最後」。
劇中ではデモイン級重巡のセーラムがシュペー役で出演しており、艦容的にはかなりの乖離がありましたが、砲撃戦がメインの戦争映画は意外と少ないこともあり、戦闘シーンの迫力と雄大なメインテーマ(BGM)そして衝撃的な最期にたいへん心を動かされた思い出があります。