前回に引き続き「第3師団 創立63周年・千僧駐屯地 創設73周年記念行事」のレポートをご紹介します。
訓練展示の準備中に催された「格闘展示」

雨天ということもあってか? 当日のプログラムは少々駆け足気味に進みました。これは戦闘訓練展示の準備中に披露された「格闘展示」の様子で、一対一のシチュエーションから一対複数、不利な情勢からの巻き返しなど、様々な条件での格闘技術が実演されました。
ヘリ降下から偵察部隊の奮戦

戦闘訓練展示は敵勢力に占拠された地域を奪取するという想定でおこなわれ、まずはレンジャー部隊のヘリ降下から開始されました。

続いて、ドローンによる航空偵察ののち、偵察オートバイと87式偵察警戒車(RCV)が登場。敵からの攻撃に反撃しつつ、更なる火力支援を要請する流れとなり――、

ここで「16式機動戦闘車(MCV)」が登場。入場すると同時に一発射撃し、偵察部隊と共に速やかに撤収します。
豊富な火器による火力支援

それと同時に、自陣では敵の規模に合わせた対空戦闘、火力戦闘準備がおこなわれました。今回の訓練展示では非常に多くの火器が用意され、迫撃砲だけでも大中小が順番に並ぶなど、準備風景も含めて非常に見応えがありました。

中でも度肝を抜かれたのが「155mm榴弾砲FH70」の登場シーンです。これまで、この砲は自走状態で入場することが多かったのですが、今回は中砲牽引車に牽引された状態でジムカーナ並みの急旋回を見せてくれました。 車両の後ろで振り子のように振り回されつつも、適度なロールで地面をしっかりとらえている様子がわかり、砲架と足回りの強靭さにたいへん驚かされました。

もちろん、展開から射撃準備にかけての一連の動作も非常にスムーズです。これらの火砲は同時に準備が開始されたこともあり、全ての流れを追うのは非常に難しかったですが、それぞれの準備時間やサイズ感の差が分かりやすく、興味深いシーンとなりました。

対空誘導弾の「近SAM」および「短SAM」も同時に展開されました。「SAM」とは「Surface Air Missile」の略で、ともに近距離の対空目標に対応するための防空システムです。迫撃砲や榴弾砲と異なり、これらは自走式であることから、比較的速やかに展開されました。
訓練展示はクライマックスへ

続々と火力が投入されるなか、スナイパーによる敵司令官の排除に成功。そのいっぽうで、負傷者の救護、搬送などもおこなわれました。この間、最初に侵入したレンジャー部隊が敵陣の後方に入り込んで退路を断ち、最後の突撃に備えます。

レンジャー部隊の展開を確認した中隊長から突撃支援射撃が発せられ、MCVが再進入と同時に発砲。それに続く軽装甲機動車と高機動車から降車した兵員が敵陣を占拠し、状況終了となりました。
千僧駐屯地 創設73周年記念行事は、時間にして約15分ほどの間にめまぐるしく展開し、火器の準備風景やダイナミックな車両の機動――、レンジャーをはじめとした兵員のアクションなども豊富で、非常に見応えがありました。

雨中の訓練展示は見る側にとっては過酷ですが、シチュエーション的には非常にドラマチックで楽しめました。訓練展示は午前の部だけでなく、午後の部(2回目)も行われたそうですが、私たちは体調を気遣って早めに撤収。
駐屯地内のイベントや出店などを楽しむ余裕がなかったのは残念でしたが、これはこれで得難い体験となりました。