艦船模型製作代行のご依頼をいただき、フジミの1/350航空母艦「翔鶴」を製作中です。

船体の塗装が完了したタイミングで、短艇甲板への艦載艇設置と手摺&ラッタルのとりつけも済ませました。狭いデッキに無数の小型艇が並ぶ様子は、非常に見応えがあります。

続いては飛行甲板の塗装に移ります。フジミキットの飛行甲板は一体で成形されており、非常に薄くて実感的です。

まずは木甲板の塗り分けから開始しました。最初にガイアノーツの「サーフェイサー エヴォ」を全体に吹き、下地とします。(鉄部とは異なり、木部は少しくらい透けている方がかえって深み出るので、透け止めの黒サフではなく、敢えてグレーサフを使用しています)

木甲板色は、Mr.カラーの44「タン」や43「ウッドブラウン」などをベースに調合した4色の木甲板色を使用します。まず最初に、最も暗い木甲板色を吹き、細切りマスキングテープを貼って板目ごとの色調の差異を表現していきました。

マスキングを終え、2色目を重ねた様子。2色目は、最も明るい色を使用しています。

続いて、2番目に暗い色を塗装し、再びマスキング。テープを貼り付ける枚数は、全ての塗色で同一数で揃えました。

最後に基本色(2番目に明るい色)を全体に吹き、マスキングテープを剥がした様子。

アップで見ると、少々大げさなモザイク模様が姿を現しますが、このあとウォッシングを加える前提なら、これくらいの色調差がある方が、かえって引き立ちます。

ウォッシングには、定番のタミヤのエナメル塗料を使用しました。ここではXF-10「フラットブラウン」をX-20「エナメル溶剤」で薄めに溶いていますが、スミ入れ塗料を使っても同じ効果が得られます。

幅広の筆を使い、縦方向に敢えて筆ムラを伸ばしていきます。一旦乾燥させて違和感があるようなら、溶剤で落とすか? 更に塗り重ねるなどを繰り返し、好みの風合いを探っていくと失敗がありません。

今回は、甲板塗装の中でも完成したときの印象を大きく左右する木甲板の塗り分けをご紹介しました。次回は鉄甲板部や白線標示の塗装工程もご紹介しますので、ぜひご注目ください。


