艦船模型製作代行のご依頼をいただき、フジミの1/350航空母艦「翔鶴」を製作中です。今回が製作記の最終回となります。

艦載機の基本塗装が終わったら、次はデカール貼りです。これはハセガワパーツに付属のデカールシート全景ですが、このシートには基本的に赤城の所属機用のデカールしか含まれておらず、フジミキットのデカールは零戦、艦爆、艦攻用が各3機ぶんしか付属していないので、このままでは翔鶴所属機×35機の再現は不可能です。

フジミの1/350航空母艦「翔鶴」のバリエーションには「搭載機63機付き」のキットもあるので、デカールの別売がないか? フジミに問い合わせてみたのですが、残念ながら非売品とのこと。
そこで今回は、ピットロードから発売されている別売りデカールを導入しました。(予備も含めて6枚を投入しましたが、実質的には5枚あれば事足ります)

このピットロードデカール、残念ながら期待した品質が確保されておらず、ヒビ割れが多数生じましたので、使用は機体番号と白帯のみに留め、日の丸や警戒線などにはハセガワ製を使用しました。

デカールを充分に乾燥させたら、UVカット艶消しクリアーを全体に吹いて質感を落ち着かせるとともに、デカールを保護しておきます。

ディテールアップ箇所は主にプロペラですが、これはハセガワの艦載機セットには付属していないので、ハセガワ純正のディテールアップエッチングパーツのCセットを導入しました。これも、1枚につき艦爆用デカールは10枚しか含まれていないので、計3セットを投入しています。

エッチング全景。このエッチングは、オールやプロペラ、運貨艇用のパーツが多く含まれていて汎用性が高いので、赤城以外の艦船模型を製作する時にも意外と重宝します。

プロペラパーツは、切り取り前にピッチを付けておくと、歪みが生じにくいのでオススメです。零戦の場合は、プラパーツのスピナーも、このタイミングで接着しておきました。

1/350「零式艦上戦闘機21型」の完成写真。プロペラの警戒線はデカールを使用せず、筆塗りで再現しました。

同じく、1/350「九九式艦上爆撃機」の全景。脚カバーのデカールが少々難しいですが、仕上がりのレベルを整えることができました。

艦載機は飛行甲板に固定しています。配置は事前になんども微調整を繰り返し、バランスよく見える位置を探りながら決めました。これほどの機数の艦載機が、一斉に発動機を唸らせている様子はどのようだったのか? と想像が膨らみます。

前回の艦載機製作の記事の前編では、艦爆を揃えるために大「艦載機セット×10箱必要」と書きましたが「プロペラのエッチング化+デカールの翔鶴所属機への変更」を加えるとなると、更に「エッチング×3セット」「デカール×5セット」が必要になり、更なる物量作戦となりました。
特定の空母で一定の機数を揃えるとなると、どうしてもキットやパーツ、デカールなどを揃えるハードルが高くになりがちですが、完成度はさすがはハセガワベースということで、非常に満足のいく仕上がりとなりました。次回は完成写真のご紹介です。


