艦船模型製作代行のご依頼をいただき、フジミの1/700戦艦「扶桑 昭和19年」を製作中です。
今回で、1/700戦艦「扶桑 昭和19年」の製作記は最終回となります。これは、前回までに組み立てとディテールアップを完了した前部艦橋に、ナノ・ドレッドシリーズの双眼鏡を取り付けた様子です。
後部からの全景。少しわかりにくいですが、防空指揮所前部は木製グレーチングをイメージして、タン塗装&エナメルブラウンウォッシングで仕上げました。
これで三大構造物が仕上がり、残しは小物類の取り付けを残すのみとなりました。
まずは艦載艇ですが、水雷艇と内火ランチにはキットパーツを使用し、9mカッターはナノ・ドレッドパーツに置き換えました。
艦載艇の取り付け状態。水雷艇は説明書で指定されている向き(後ろ向き)ではスペースに収まらないので、前向きに置き換えました。搭載数は全部で5隻と少な目で、同じフジミ特シリーズの「山城」が21隻の大量搭載となっているのとは対照的です。
続いては対空兵装の取り付けです。搭載数はなんと68基! 各機銃の取り付け角度や仰角などをきっちり確認しつつ、接着していく作業は、さながら何かの修業を思わせます。
手すりやラッタルなどは、フジミ純正エッチングパーツを使用しました。これらは船体に取り付け前に塗装を済ませておき、最後の工程で接着をおこないました。
手摺り取り付け後の艦首付近のクローズアップ。ゲート部には真鍮地が出てしまうので、あとからピンポイントでタッチアップ処理しています。
空中線はモデルカステンの0.1号のメタルリギングで仕上げ、ナノ・ドレッド探照灯はレンズを塗り残し、反射鏡をシルバーで仕上げました。
最後に旗を取り付け、ナノ・ドレッドの菊花紋章を取り付ければ、1/700戦艦「扶桑 1944」は無事に完成です。最終時の「扶桑」製作は久しぶりでしたが、改めて対空兵装の塗装&組み立て&接着作業の膨大さには驚かされました。
日本戦艦の中でも随一の密度とアンバランスさを感じさせる、昭和19年の戦艦「扶桑」が完成しました。
キット、エッチングともに1/350並のボリュームとなる特キットの製作には、思いのほかカロリーを消耗しましたが、ひとつひとつの作業にきっちり集中しながら臨んだ甲斐があって、見ごたえのある作品に仕上がったと思います。次回は完成写真紹介ですので、ぜひご覧ください。