艦船模型製作代行のご依頼を頂き、ピットロードの1/700戦艦「大和」【就役時】を製作中です。
構造物や装備品の製作が概ね干渉しましたので、今回は船体のディテールアップと塗装をご紹介します。これは、艦尾の航空作業甲板左右の張り出し下部のハンギングクレーン&支柱のパーツで、ピットロードの純正エッチングでは片側25枚、左右で計50枚のエッチングを組み立てます。
クレーンをコの字型に曲げ、支柱のパーツを差し込んでいる様子。パーツの嵌合はかなりタイトで最初は苦労しますが、支柱の枚数が増えていくにつれてクレーン側の形状も整い、徐々に組みやすくなります。
支柱を全て組み終われば、最後に通路とラッタルを取り付けて完成です。
航空作業甲板裏側への接着を終えた様子。位置決めは、甲板を船体に仮付けしつつ慎重におこないました。
続いて、艦首側もディテールを進めます。これは、錨鎖を精密チェーンに交換するためにモールドを削り取っている様子で、ボラードも真鍮挽物パーツに備えて切削しました。
ボラードには、アドラーズネストの真鍮挽物パーツを使用します。大和用のボラードは計3種類製品化されているので、それらすべてを使用しました。
アドラーズネストの大和用ボラードのクローズアップ。写真右から「大和用B」「大和用A」「大和用小(重巡共用)」になります。B型は、大和型戦艦の特徴でもある穴あきタイプとなっています。
塗装&ディテールアップ後の艦首付近。錨鎖には、モノクロームの超精密チェーンを使用し、滑り止め鋼板部は亜鉛メッキを模した塗装を施しました。
続いて、艦尾付近の様子。【赤丸部分が真鍮挽物製ボラード】【緑丸部分が純正エッチング】【黄丸部分がナノ・ドレッド】の使用箇所です。写真には写っていませんが、主錨にもナノ・ドレッドパーツを使用しました。
航空作業甲板下面のハンギングクレーンと支柱のディテールもシャープに決まりました。次は木甲板と構造物の取り付け――、艦載機の製作をご紹介します。
船体のディテールアップで最も手のかかる箇所が、艦尾両舷のハンギングクレーン&支柱です。ピットロードの純正パーツはとてもよく出来ていますが、ここは同セットの中では組み立て難度が格段に高い箇所ですので、エッチングの扱いにまだ不慣れな方は、思い切って省略されるのもひとつの方法かもしれません。