艦船模型製作代行のご依頼を頂き、アオシマの1/350重巡洋艦「鳥海」を製作中です。
今回は船体から製作を開始します。アオシマの高雄型重巡のキットの船体は左右分割構成となっており、バリエーション展開のためにバルジとシェルターデッキ側面部が別パーツ構成となっている点が特徴です。
なお、船体パーツのゲートはアンダーゲート処理がされていますので、接着強度を高めるためには接着前の擦り合わせが重要です。
内部フレームは板状の成形品が計7枚ありますので、まずは全てのフレームを右舷側にしっかり接着し、続いて左舷側を被せました。
合わせ目には、GSIクレオスの「Mr.セメントSP」を大量に流し込んでしっかりと溶着させます。その際、ビンの蓋についている刷毛は含みが良くないので、太めのナイロン筆を使ってしっかりと流し込みます。
接着剤が半乾きのタイミングで船体同士を強く押し付けると、合わせ目に溶けたプラがはみ出してくるので、これを完全硬化まで待ち、サンディングして落とします。左右分割の船体は、概ねこの処理だけで分割面の合わせ目は綺麗に消えてくれます（万が一、合わせ目が残る際には液状瞬間接着剤で埋めて再サンディング）
これで船体左右の張り合わせは完了しました。フレームはかなり奥まできっちり差し込まないとデッキときっちり合ってくれないので要注意です。
船体左右を合わせた後は、工作台とディスプレイケース台座への固定用の穴をあけ、ナットを取り付けます。
デッキパーツは少々複雑な構成となっており、第三主砲塔周りと航空作業甲板周りが分割されています。第三主砲塔周りは（機銃座が増設された）「摩耶」へのバリエーションのための分割で、航空作業甲板は今回の「鳥海」専用パーツが用意されています。
今後の製作を進めるにあたり、アドラーズネストの真鍮飾り脚を介して、モデルファクトリーハイギヤードのアクリル製展示台＆作業台を取り付けました。このアクリルプレートは、高級感のある国産スモークアクリル製で、飾り台にも適しているいっぽう、作業台としても便利な一品です。
アクリル台座と飾り脚を汚したくない場合は、マスキングテープで養生しておくと安心です。次回は船体製作記の後編をご紹介します。
「鳥海」は高雄型4隻の中で唯一バルジが装備されなかったので、別パーツの合わせ目処理が必要ない点は助かるのですが、航空作業甲板周りのフィッティングはあまり良くありませんでした。この辺りのしわ寄せは、上部構造物の製作の際にも顕著になるのですが、それらの様子は後日の記事で紹介します。
