艦船模型製作代行のご依頼を頂き、アオシマの1/350重巡洋艦「鳥海」を製作中です。

今回からは中央構造物の製作です。1942年の「鳥海」は、高雄型4隻の中で唯一飛行機格納庫が残されていたので、まずはそちらを組み立てました。

格納庫のパーツは少々反りが大きく、最上甲板側の歪みの影響も受けて収まりが悪かったので、格納庫側の壁面とシェルターデッキの一部を削り、隙間なく収まるように調整を重ねました。

煙突は左右分割式でファンネルキャップは別パーツです。蒸気捨管は、艦橋を取り付けてからでないと位置が決まらない箇所がひとつあるので、それ以外のものをこの段階で全て接着しました。写真下側は、煙突左右両舷に取り付ける機銃座で、左右非対称になっている点が特徴です。

シェルターデッキと煙突、機銃座を塗り分けた様子。グレーチング部と探照灯の環座はタンに塗り分け、メリハリを演出しました。

続いては上部構造物の組み立てに移りいます。発射管と予備の魚雷を取り付ければ、いよいよシェルターデッキも接着可能となります。

シェルターデッキ取り付け後の様子。デッキは舷側パーツとの合わせ目が少々目立ちましたので、液状瞬間接着剤を適量流し、硬化促進スプレー(アルテコ スプレープライマー)で強制硬化させる方法で埋めました。こういう処理には、使い捨てタイプのシアノン「ミニピタ」が便利です。

後部マストは、キットパーツにかなりの歪みがありましたので、お湯に漬けつつ、折らない程度に曲げ戻してから組み立てます。

デッキ側に何度も仮付けしつつ微調整を重ね、組み上がった後部マスト。クレーンのジブにはアオシマ純正の「鳥海」専用エッチングパーツを使用しています。

私はこれまで、1/350の高雄を二回製作して参りましたが「鳥海」特有の飛行機格納庫と、取り付け位置が異なる後部マストの製作は初めてとなりました。パーツのフィッティングには思った以上に難があって焦りましたが、微調整を重ねた結果、隙間なく収まってくれて安堵しています。