艦船模型製作代行のご依頼を頂いて製作していた、アオシマの1/350重巡洋艦「鳥海」が完成しました。本日か完成写真をご紹介します。
1/350重巡洋艦「鳥海」全景写真

1/350重巡洋艦「鳥海」、左舷艦首側からの全景。「鳥海」は復原性能改善工事がおこなわれなかったことから、追加のバルジが装備されず、艦橋構造物の小型化工事もなされなかったため、高雄型4隻の中でも最も「頭でっかち」でクラシカルな魅力があります。

1/350重巡洋艦「鳥海」、右舷艦尾側からのローアングルでのカット。トラス状の前部マストや小ぶりな航空作業甲板&飛行機格納庫が「鳥海」の外観上の特徴です。

キットはアオシマのアイアンクラッドシリーズの初期ロットのものをお客さまからお持ち込みいただき、純正エッチングパーツと高雄型用手すりパーツを使用したほか、空中線や観測機器類の追加など、若干のディテールアップをくわえました。

左舷艦尾側からの見下ろしアングル。他の高雄型の大戦時の姿と比較して、後部マストの位置が艦中央部に近い点が「鳥海」の大きな特徴です。艦載機は、説明書には94式水偵と95式水偵の搭載が指示されていましたが、時期的には零式観測機と零式三座水偵が正しい様でしたので、各々1機ずつを搭載しました。

右舷からの全景。重巡らしいスタイリッシュな船体と、城郭のような艦橋構造物が非常に魅力的です。ディスプレイにはアドラーズネストの飾り脚とタミヤのディスプレイケースNを使用し、ミュージアムモデルらしい高級感のある仕上げとしました。
1/350重巡洋艦「鳥海」詳細写真

艦首から艦橋にかけてのクローズアップ。主砲塔はキットのままでもディテール面では充分に繊細ですが、砲身の砲口が開口されていないので、ピンバイスによる開口処理をおこないました。

中央構造物の様子。艦橋窓枠にはアオシマ純正のエッチングパーツを使用し、キットで省略されている双眼鏡や羅針儀などは、ファインモールドのナノ・ドレッドシリーズのパーツを追加。他にも舷灯や舵柄信号標を汎用パーツで追加した他、救命浮環もエッチングに切り替えました。

別アングル。双眼鏡と同様に、25mm連装機銃もナノ・ドレッドパーツに交換しました。探照灯レンズはシルバー塗装だと少し目立ちすぎるので、レンズ部をスターブライトアイアンで仕上げました。

航空作業甲板と飛行機格納庫、艦載機のクローズアップ。大型化された他の高雄型重巡と比較して、この部分は1920~1930年代の面影を残す興味深いメカニズムです。
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当作品は豪華版キット&複数のディテールアップパーツをお持ち込みいただき、当工房にてアクリルケースをご用意させていただいた上で、製作代金220,000円(送料込み)にて承りました。
当工房では、ご予算に合わせたディテールアップも提案できますので、製作をご希望の方は以下の問い合わせフォームよりお気軽にご相談くださいませ。

アオシマの1/350高雄型重巡は(国産艦船模型キットが元気だった)2007年頃に発売されたもので、少々粗削りなところもありますが、完成した姿は非常に端正で魅力的です。今回は初期ロットのキットを使用しましたが、リテイク版ではディテール面もより充実してますので、いつかは個人的にも作ってみたいと思わされました。
今回は徹底ディテールアップではなく、標準的なディテールアップ内容となりましたが、最後まで製作記をご覧いただきありがとうございました。
明日7月5日土曜日は本来はブログの休載日ですが「モデルファクトリーハイギヤード」からではなく、私個人「渡辺真郎」から皆さまへお知らせがございますので、ご覧いただけましたら幸いです。