船舶模型製作代行のご依頼をいただいて製作した、ホビーボス1/700ホワイトスターライン「RMS オリンピック」の製作記(徴用時→商船時への逆改修)をご紹介しております。
今回は救命ボートの配置とディテールアップの様子をご紹介します。これは船尾のウェルデッキの様子で、船倉ハッチや隔壁の高さの違いが確認できます。また、ボートデッキ最後部の2等エントランス上部のエレベーター機械室は、キットでは(ブルワーク付きの)専用パーツを使用するように指定されていたのですが、1913年時の写真では「RMS タイタニック」と同じ形状であることが確認できましたので、敢えてタイタニック用のパーツを使用しています。
2隻同時進行で煙突を取り付け、これで船体や上部構造物の主要部の組み立てが完了しました。1/700とはいえ巨大客船が2隻並ぶと、さすがの迫力です。
救命ボートは(1913年当時の資料を参考に)徴用船時より大幅に削減しましたが、それでも合計56隻の大量搭載となりました。「RMS タイタニック」の搭載数が僅か20隻だったことを思うと、沈没事故による影響が良くわかる増備数です。
また、ボートは各ダビットに2段重ねで搭載しました。キットの説明書では、大小のサイズの異なるボートを2段積みするように指定されていたのですが、大きいボートを使うとダビットを収めるスペースが足りなくなるため、やむなく小型ボートを2段積みして対処しました。(ディテールアップは、主にレインボーモデルのアカデミーキット用を流用しています)
左奥の「RMS タイタニック」と比較すると、右手前の「RMS オリンピック」は、いかにもボートデッキのレイアウトが窮屈そうです。デッキチェアを配置する場所も制限されてしまったので、「RMS タイタニック」より若干少なめの約40脚を配置しました。
ホビーボス1/700「RMS オリンピック」の製作は、資料に基づいた装備品の削減と塗装変更――、更にはタイタニック用に設定されたディテールアップパーツ&木製甲板の微調整などの多くの課題がありましたが、概ね1913年時の姿を商船状態の姿を再現することができました。次回は完成写真をご紹介しますので、ぜひご覧ください。