船舶模型製作代行のご依頼をいただいて製作していた、ホワイトスターライン1/700「RMS タイタニック」が完成しました。本日は完成写真をご紹介します。
ホビーボス1/700「RMS タイタニック」全景写真

1/700ホワイトスターライン「RMS タイタニック」、右舷側からの全景。1/700スケールのタイタニック号は、アカデミー、モンモデル、ズベズダ、エアフィックス、童友社、ドイツレベルなどからも発売されていますが、今回製作したのは、2025年現在では最新版となるホビーボスの製品です。

1/700ホワイトスターライン「RMS タイタニック」、左舷船尾側からの見下ろしアングル。キットはフルハルモデルとして発売されていますが、今回は吃水線下をカットし、海面ベースを自作して洋上モデルとして製作しました。

左舷船首側からのローアングルでの全景。タイタニックのキットはスケールを問わず、舷側の外板継ぎ目やリベット表現がオーバースケール気味に表現されることが多かったのですが、ホビーボスのキットは程よいレベルに抑えられており、バランスの良いディテール感に仕上げられています。

左側面からの全景。デッキ構成は実船に沿ったパーツ分割になっており、Cデッキより上層は各一層ずつフロアを積み上げていく構成です。プロムナード外壁は、姉妹船のバリエーション化に備えて別パーツになっていますが、船体やデッキとのフィッティングは良好でした。(余談ですが、ミニクラフトの1/350キットでは、この外壁の合わせに非常に苦労させられます)
ホビーボス1/700「RMS タイタニック」詳細写真

船首からブリッジ、第一煙突にかけてのクローズアップ。これまで発売されてきた1/700タイタニックのキットと比較して、操舵室のサイズ感が適正に調整されており、船首楼&船尾楼デッキにかけての隔壁のディテールやブルワークの薄さなどは「さすがは最新キット」と唸らされる仕上がりです。

船首から第二煙突にかけての見下ろしアングル。上部構造物や居住区は一体成型パーツが多用されており、側面の窓のモールドも深めに彫られていたので、エナメル塗料によるスミ入れもスムーズに進みました。

第二~第四煙突にかけてのクローズアップ。ディテールアップには、レインボーモデルのアカデミーキット用エッチングパーツを使用し、手すりやラッタル、シュラウド&クレーンのほか、約60脚のデッキチェアも配置しました。

別角度。白塗装の船体や上構、装備品などは発色に軽さが出ないように、全て黒サフの下地から立ち上げました。海面ベースはジェルメディウムとマグネシウム粉末、ハイグロスバーニッシュなどで表現したもので、お客さまのご要望に応えて全速航行のイメージとしております。

第四煙突から船尾楼デッキにかけての様子。船尾に多数配置されたクレーンのトラス状のジブと、マストに架けられたシュラウドには、レインボーモデルのエッチングを流用しています。

左舷船尾付近の見下ろしアングル。旗はデカールだと劣化に弱いため、ブルーエンサイン、星条旗、ホワイトスターライン旗などはレーザープリンターで印刷したものを使用しました。空中線は0.1号のメタルリギングで、ディテールアップ部とのバランスを取りつつ、適度な表現を心がけました。

ホビーボスの1/700「RMS タイタニック」は、これまでの1/700客船プラキットの常識を打ち破るほどの繊細さで、たいへん驚かされました。とはいえ、ここまで完成度の高いキットにも欠点はあるもので、具体的には「主錨が抜けている」「舷灯のモールドが片舷のみ欠けている」といった、想定外のトラブルもありました。
特に「主錨がない」なんて事象は、国産キットでは考えられないようなお話ですが、海外キットでは、ときどき出くわす現象でして、せっかくの高精度な製品だけに勿体なさを感じます(笑)
次回からは、姉妹船のホビーボス1/700「RMS オリンピック」の製作記を全3回に分けてご紹介します