2024年9月現在、業務の方は「艦船模型スペシャルNo94」の作例製作に集中しているため、ストック記事として、プライベートで製作していたAFV作品の製作記をご紹介します。
今回ご紹介するのは、タミヤの1/35「陸上自衛隊 16式機動戦闘車 C5」です。このキットは、従来より発売されていた16式機動戦闘車のバリエーションで、2020年度の予算で調達された「C5」と呼ばれるタイプをモデル化したものです。
これは、私が昨年製作したタミヤ1/35「陸上自衛隊 74式戦車」の完成写真。ライオンロアのエッチングパーツやアスカモデルのクリアーパーツ、モデルカステンの履帯やアドラーズネストの銃身&アンテナなどで贅沢にディテールアップした作品で、今回の16式機動戦闘車も、このナナヨンと同等のディテールを目指します。
ディテールアップパーツ紹介の最初は、タミヤのアルミ砲身からです。16式機動戦闘車用の砲身は様々なメーカーから発売されていますが、タミヤ製はコストが抑えられている一方でフィッティングに安心感がある点も魅力です。
エッチングパーツは、16式機動戦闘車専用のパーツを2種類、計3セット導入しました。これはパッションモデルのエッチングで、主に偽装用のフックに使用したのですが(もともとC1用に設計されたパーツということで)C5を仕立てるには1枚では足りず、2枚必要になりました。
続いてはボイジャーモデルのディテールアップセット。エッチングパーツ×3枚とブローニングM2銃身、ワイヤー&真鍮線なとが同梱された豪華なセットで、偽装フック以外のエッチングのディテールアップには、概ねこのパーツを使用しました。(このパーツもC1用のため、一部のパーツの位置を変えたりしつつ対処しています)
こちらはHMAの自重変形タイヤ。3Dプリント製のディテールアップパーツで、タミヤキットのゴムタイヤでは再現されていないタイヤのつぶれを再現できるだけでなく、プラ用塗料で手軽に塗装可能な点もメリットです。(マズルブレーキとライフリングが施された砲身先端も付属していますが、今回はタミヤのメタル砲身を採用しました)
アドラーズネストのディテールアップパーツは計3種を投入しました。これは、74式戦車の時にも使用した、陸上自衛隊の新式アンテナです。(16式のアンテナよりは少し細めなので、塗膜で太らせてから使用しました)
こちらはアンテナとセットで使用するマストベース。アンテナ本体と分離しているので、塗り分けも手軽に済ませることができます。
ブローニングM2重機関銃の銃身も、アドラーズネストの真鍮挽物パーツを使用しました。銃身本体はもちろん、薄く表現されたバレルサポートのディテール感も抜群です。
最後にデカールですが、今回は今津駐屯地に所在する「第3偵察戦闘大隊」の車両を再現すべく、トワイライトモデルのデカールを用意しました。
これが「第3偵察戦闘大隊」の16式機動戦闘車(大久保駐屯地にて撮影)。キットはウインチ付きのタイプも再現可能ですが、今回はウインチ無しでいきます。
16式機動戦闘車は、導入直後から静岡ホビーショーなどで実車を見る機会が多く、今回の製作中も千僧駐屯地、静岡、大久保駐屯地などで間近に取材する機会が多くありました。その結果、納得できる仕上がりになるにはかなりの時間を要してしまいましたが、製作過程は今後のレポートでなるべく詳しく紹介して参りますので、ぜひご覧ください。