艦船模型製作代行のご依頼をいただき、1/700重巡洋艦「スターリングラード」を製作中です。
今回は、前回記事に描いていた「気になる箇所」の修正から始めます。前部艦橋ですが、取り付け部の角度と甲板側のシアが合わず、そのままではかなり不自然に前傾してしまいますので――、
後部の接着面を大胆に削り込み、なるべく水平に近い角度となるように調整しました。
調整後の様子。1枚目の写真と比較すると、艦橋後部と煙突との距離感もかなり変わっていることが分かります。
続いては主砲塔と副砲塔の組み立てに移ります。パーツ構成は比較的シンプルで、砲塔本体への砲身の差し込みがメインです。(写真には写っておりませんが、主砲塔の測距儀は別パーツ構成となっています)
砲身は開口されていないので、主砲身のみ0.4mm径のドリルで開口しました。レジンの砲身はプラ砲身より数段軟質ですので、ちょっとしたズレも許されない慎重な作業が求められます。
無事に開口処理を終えた主砲身を、砲塔に取り付けた様子。接着面積は非常に小さいので(事後変化防止のために)ゼリー状瞬間接着剤で仮固定ののち、合わせ目に液状瞬間接着剤を多めに流して補強しておきました。
これで主要部の組み立ては完了したので、いよいよ下地塗装を開始します。今回は(複雑な迷彩パターンで仕上げることもあって)度重なるマスキングにも耐えれるように、プライマー効果最強のクアトロポルテ「Tipo G.プライマーサーフェイサー」を使用しました。
塗装時のパーツ分割は、このような状況です。前部艦橋は水平面のマスキングが相当多いため、作業性向上のために船体とは別個に処理します。
下地塗装を終えた各ブロックを再び仮組みした様子。製作はまだまだこれからが本番ですが、展示映えのする纏まりの良い艦容が伺えます。
主砲身の穴あけ加工は(スライド金型や真鍮砲身、3Dプリントパーツの普及によって)現在では、ほぼロストテクノロジー状態となり、当工房でも久しぶりの施工となりました。今後予定しているディテールアップは、手摺とレーダーのエッチング化、対空兵装のレジンパーツ化のみとなりますので、手作業系の追加工はこれのみとなります。
次回の製作記では迷彩色の調色をご紹介しますが、明日は模型誌掲載情報をお知らせします。