広島県の江田島市にある「海上自衛隊 第一術科学校」の見学記をご紹介しております。今回は旅行記の二回目ということで、前回の新幹線&船旅編に引き続き、江田島での昼食と「海友舎(旧江田島海軍下士卒集会所)」の様子をご紹介します。

江田島に上陸したところで、時間調整として江田島市観光協会のオフィシャルショップ「えたじまーれ」に立ち寄りました。ここは地域の特産品がたくさん並び、私もみかんを買って帰ったのですが、非常においしくいただきました。

昼食会場は、港にほどちかい場所にある創作家庭料理・ダイニングバー「Shirasuya e’s」。牡蠣と、しらすの料理が名物だそうです。

今回は、団体メニューとしてカレーライスをご用意いただきました。海軍カレーというよりは、お洒落カフェのカレーといったイメージで、あまり辛くはなく、鶏の唐揚げがトッピングとして載せられていました。

続いては江田島市に今も残されている、元「旧江田島海軍下士卒集会所」、現名称「海友舎」を見学しました。

ここは、現在では非常に貴重な木造洋館で、竣工は明治40年(1907)。2020年4月3日の官報告示により、国の登録有形文化財(建造物)になりました。

内部も、案内付きで見学させていただきました。写真左側には、海軍で使用されていた当時から描かれていた「桜に錨」のモチーフ。ガラスも多くが戦前のものがのこされており、木製サッシな内部も調度品など、貴重な品が現在も使用されていました。

洋館なのに畳敷きというのが、いかにも明治の建築と言った趣です。建物は何度も回収され、階段の位置や部屋の間取りなどが変更された痕跡もあり、どういう経緯でどのような改装がなされたか? については、現在も研究が進んでいるようです。

また、建物の修復も順次進められています。これはペンキ塗り用の足場が組まれている様子で、各部を塗り直す過程で昔のペンキを剥がすことで、塗膜の階層から修復歴(塗りかけたものの、やっぱり止めた跡など)がわかったり、木材の加工の後がわかったりと、発見がつきないそうです。

貴重な建物を保存いただいたことで、私たち観光客にもこうして公開いただく機会に恵まれ、保存団体「特定非営利活動法人ぐるぐる海友舎プロジェクト」の皆さまには心より感謝申し上げます。この建物、戦後は戦争未亡人の方の職業訓練施設になったり、現在ではアイドルPVの撮影の場になったりと、様々な用途で現役に使用されているとのことですので、これからも修復と研究が進み、貴重な文化財として多くの皆さまに愛される存在になってくれればと思います。


