広島県の江田島市にある「海上自衛隊 第一術科学校」の見学記をご紹介しております。今回は旅行記の最終回ということで、江田島訪問の主要な目的地である「海上自衛隊 第一術科学校」をご紹介します。

この施設、見学は自由です。受付で代表者の名前などを申告すると、見学者控室を兼ねた施設「江田島クラブ」に案内され、見学案内の順番を待ちます。このクラブには売店もあり、海上自衛隊ゆかりのお土産物や地域の名物なども取り揃えられています。

時間が来たところで、海上自衛隊のOBの方から構内をご案内いただきました。これは「大講堂」で入校式、卒業式、その他の重要な儀式・式典を行うために建築されたものです。約2000人を収容可能で、天皇の名代として皇族が臨席する厳粛な行事に使用されていました。

これは、大講堂の裏側の様子。表玄関は海上自衛隊の高官でなければ、皇族のみしか使用が許されない出入口ということで、儀式の参加者は主にこちらの扉から出入りします。

大講堂の内部は荘厳と言う他はありません。内部はドーム型天井、舵輪を模したシャンデリアが備えられ、部隊には天皇陛下がお座りになる玉座があります。こうした施設が我々一般人にも開放されていることには、本当に驚かされます。

続いては、幹部候補生学校の本館(旧海軍兵学校)をご案内いただきました。建物の大きさは、当時の艦船のサイズとほぼ同じ144mとされており、レンガ造りで左右対称の美しい建築美を魅せてくれます。この建築に使われた煉瓦は、かつては英国から輸入されたものが使用されたと伝えられていましたが、現在の研究では国産のレンガにほぼ町がないという結論が出ているそうです。

内部の様子。出入り口に扉はなく、常に明け放されているのが特徴です。これはエントランスを入ったところにある、重厚な木製の二股階段の写真で、正面入り口上部のガラスが強風で割れる事故があり、1枚だけ近年の板ガラスに換えられていることなど、貴重な裏話を教えていただきました。

幹部候補生学校の看板と、廊下の様子。近年、あまりにも暑い夏が続いていることから、ついにエアコンの室外機が取り付けられました。海上自衛隊としても苦渋の決断だったそうで、来年以降、夏の気候が安定したら取り外される可能性もあるとのこと。となると、この光景は、ある意味レアカットになるのかもしれません。

最後にご案内いただいたのは、貴重な資料が山のように展示された「教育参考館」。内部は撮影禁止ですが、当時やりとりされた手紙や遺品、軍装品、海軍にまつわる美術品や、実物の艦船装備品など、盛りだくさんの展示を間近に見ることができました。また、館外には特殊潜航艇や魚雷、砲弾、単装砲などの実物資料も数多く展示されており、見学者は手に触れるほどの距離で実物の息吹に触れることができます。

今回、旅の主目的でもあった駆逐艦「雪風」の主錨とも、久しぶりの再会となりました。今年は映画の公開もあり、多くの方にこの幸運艦を知って頂ける良い年になったと思います。

こちらは、沿岸を睨むように設置された、戦艦「陸奥」の主砲塔。1935年、加賀型戦艦用の新型41cm連装砲塔に換装された際に降ろされた4番砲塔で、主砲身や装甲版などが当時のまま残された貴重なものです。
今回の旅では、旧日本海軍ゆかりの貴重な品々に触れる機会が多く、改めて海洋国日本の歴史と海軍の伝統を深く心に刻むことができました。今回の旅にお誘いいただきました、常連のお客さまに改めて御礼を申し上げます。

帰路は再び、船便で呉港に戻り、往路の宇品港とは別ルートで広島に戻りました。そこから新幹線と神戸地下鉄、阪神線、近鉄線と乗り継ぎ、午後10時過ぎに帰宅しました。「大和ミュージアム」が閉館していることもあって、呉訪問は久しぶりとなりましたが、またミュージアム再会の折には、ぜひ現地の様子をレポートしたいと思います。全三回の旅行記をご覧いただき、ありがとうございました。(明日は「CHERRY&ANCHOR」への艦船模型完成品の入荷情報をお知らせします)


