現在、業務の方はメディア掲載作例に集中しているため、ストック記事として海道塾の3Dプリントキット、1/700フェリー「さんふらわあ きりしま」の製作記をご紹介しております。
前回までに船体の下処理を終えたので、先に海面ベースを製作しておきます。まずは黒アクリル樹脂で特注したベースに、海面色としてMr.カラー14「ネイビーブルー」を吹き、リキテックスのジェルメディウムを筆で盛りつけて「さざ波」を表現していきます。
ジェルメディウムは乾燥前は乳白色ですが、乾燥すると透明になるので、さざ波表現に適しています。ただし、一回盛りつけただけでは筆ムラが目立ち、厚みも足りないので「盛りつけ→乾燥」の工程を3回繰り返して深みを出しました。
続いては航行波の表現です。これには、ジェルメディウムより2段階硬くてヒケの少ない「スーパーヘビーメディウム」を使用し、製菓用品のデコペンを使って波を書き込みます。
デコペンにスーパーヘビージェルメディウムを装填し、バースデーケーキのプレートにチョコで文字を書き込む要領で仕上げます。「さんふらわあ さつま・きりしま」の空撮を見ると、船尾波は独特のV字状となっているので、この状況も再現しました。
乾燥後、再びスーパーヘビージェルメディウムを重ねるのですが、その際には白波表現としてマグネシウム粉末(ステアリン酸マグネシウム)を混ぜ込んだものを盛りつけました。マグネシウム粉末は、手作り化粧品の材料としてコスメショップなどで販売されています。
さざ波の部分をメインに、最後に「ハイグロスバーニッシュ」を重ねてしっかり乾燥させれば完成です。
今にして思えば、ベースの横幅はもう少し広くしておくべきだったという後悔もあるのですが、実船の波のイメージはそこそこ上手く表現できたのではないかと思います。次回は船体の塗り分けに進みます。