2025年の製作記第一弾として、ダイリンモデルの1/700東京湾汽船「葵丸」の製作を紹介しております。
今回は「葵丸」の塗装の工程をご紹介します。細かなパーツも船体に一体成型されているため、工程は順序を良く考えながら進めなくてはいけません。まずは全体を黒サフで隠蔽し、光の透過を防ぐ処理から開始しました。(底面から光が入ることも多いので、入念に処理します)
続いて軽くグレーサフを重ね、本塗装の第一色目として、煙突の黒を吹きます。
煙突をマスキングしたら、次はブリッジ側面にMr.カラーのマホガニーを吹きます。マスキングには細切りのテープを使用し、合わせ目にはゾルを重ねます。
続いて、ブリッジ天蓋にニュートラルグレーを吹きました。塗り分けについての正確な資料は見つけられなかったので(白黒写真を参考に)配色は想像や模型的な見映えの良さを優先して決めました。
木甲板部は、ガイアノーツの「サーフェイサー エヴォ フレッシュ」を下地に吹き、Mr.カラーの「タン」を上塗りして仕上げました。
デッキ色の塗装が終わったら、次は木甲板部全体をマスキングします。細切りのテープで外側を縁取りし、続いて内側を埋めていく要領で仕上げました。
テープによるマスキングを終えたら、最後にテープの合わせ目にゾルを盛って吹込みを防止します。続いてはベンチ周りに「ウッドブラウン」を塗り重ねました。
続いてはベンチのマスキングですが、後部展望デッキの船首側は少々入り組んでおり、処理に苦労しました。また、この部分は外舷色を塗装する際にもザラ付きが出やすいので、細心の注意を払いつつ塗り分けを進めます。
外舷色には、ガイアノーツの「サーフェイサー エヴォ」ホワイトを使用しました。この塗料はもともとは下地用ですが、強い艶消し効果に加え、隠ぺい力が高くて塗膜が薄くてもきっちり発色してくれるので、商船模型の上塗りにも愛用しています。
マスキングで最も苦労したのは、デッキの処理です。地味な作業ですが、吹込みが生じると修正に更に時間を要することになるので、4~5時間程度をかけてじっくりと処理しました。次回はマスキング&塗装の後半と、小物類の取り付けをご紹介します。