艦船模型製作代行のご依頼をいただき、1/700駆逐艦「DDG-51 アーレイ・バーク」を製作中です。
残す作業もあとわずかということで、今回は小物類の取り付けと手摺、空中線などを処理します。これは搭載艇用のデリックで、ビッグブルーボーイのエッチングを組みました。
続いては手摺の取り付けです。アーレイ・バーク級の手すりは場所によっては5本のワイヤーが張れていることもあり、エッチングの一部が埋まってしまっていたので、軽くアートナイフの刃をいれて分割しておきました。
手すりはエッチング板から切り離す前に塗装しました。ファランクス周りの手すりは通路が一体となっているため、先に水平&垂直面の塗り分けも先に済ませてから折り曲げています。
まずは上部構造物の手すりを取り付けました。ビッグブルーボーイのエッチング説明書は別のフライト企画の指示が混在しているうえ、パーツ番号も間違いだらけで全くアテにならなかったので、最終的にはほぼ現物合わせで処理することになりました。
また、手すりパーツの取り付けは(本来左右非対称であるべきところが、左右対称の長さに設定されていたりと)設計上のミスが非常に多く、各部に切り詰めや補填が欠かせず、かなりの難事業となりました。(足りない箇所は余ったパーツを組み合わせてなんとか隙間なく処理できました)
舷梯やライフラクトのブラケットもこの段階で取り付け、反対側の舷には(最初にご紹介した)デリックを設置しました。
ヘリ甲板の救助ネットは、ビッグブルーボーイのエッチングは網目がほとんど埋まっていて使用できなかったので、キット付属の純正パーツに変更しました。後部の手すりも全くと言って良いほど合わず、最後の最後に酷い地雷原が仕込まれていた印象です。
工程最終盤でずいぶんと神経をすり減らしましたが、まずまず自然に仕上がってくれたと思います。信号ヤードの張り線にはメタルリギングを使用し、キットで省略されているガフは真鍮線自作。最後に星条旗を掲げて艶消しクリアーを処理すれば、1/700アメリカ海軍駆逐艦「DDG-56 アーレイ・バーク」は完成です。
今回は主要構造物の塗り分けを船体とは別におこなった関係で、最後に舷側から構造物側面にかけての垂直面に、軽く再塗装を施しました。こうすることで塗色にも統一感が生まれ、清潔感のある仕上がりとなりました。次回は完成写真をご紹介します。
前作の1/700強襲揚陸艦「LHD-1 ワスプ」と比較して、割とスムーズに進んでいた「DDG-51 アーレイ・バーク」ですが、最後の最後に予想外の問題が控えていました。いっぽうで、キット側には目立った問題もなく、表面のディテール&パーツ同士のフィッティングもまずまずで、1/700現用艦キットとしては高水準の仕上がりを実現できたと思います。