艦船模型製作代行のご依頼をいただき、ホビーボスの1/700強襲揚陸艦「LHD-1 ワスプ(WASP)」を製作中です。
搭載品の製作が概ね完了した時点で、船体と甲板の組み立て準備をはじめました。ホビーボスのキットは、ランナーパーツに離型剤の脂分が付着していることが多いので、まずはファインモールドの「ご機嫌クリーナー」でしっかり脱脂をおこなっています。
船体パーツ全景。このキットはもともとフルハルキットとして設計されているのですが、今回は洋上モデルとして製作するため、船体上部のみを使用します。船体はプラが薄く(フレームも用意されていないために)舷側が大きくすぼまっており、そのままでは船体のラインが正確に出てくれないので、甲板裏側に小加工を施すことで対処しました。(口述)
また、エンクローズドバウの艦首付近はパーティングラインが目立っているので、これもカービングナイフによるカンナがけやサンディングで処理しました。
続いて、ディテールアップに備えたモールド切削に移ります。右舷2か所、左舷4カ所の足場はエデュアルドのエッチングに切り替えるため、この段階で削り落としておきました。
洋上艦船模型の組み立て時には、船体を直接持つと破損のリスクがあるため、当工房モデルファクトリーハイギヤード製の1/700艦船模型用「アクリル」台座を取り付けておくと安心です。
この台座は、当工房公式ショップ「CHERRY&ANCHOR」で取り扱っておりますので、ご興味のございます方は、ぜひご検討ください。
●1/700洋上艦船模型用 アクリル作業台&展示台【戦艦、航空母艦用】販売ページ
┗ https://www.cherry-anchor.com/shopdetail/000000000481/
ホビーボスのキットには吃水板が付属しないため、アクリル台座を取り付けるためのブラケットをプラ板で自作しました。台座のネジ穴感覚は200mmなので、船体の中央から100mm前後の位置にネジ穴を開けたプラ板を貼り、表側にナットを固定しています。
あとはアクリル台座を船体にネジ止めすれば、準備完了。台座にはマスキングテープなどを巻いておけば、作業中に汚れることもないのでオススメです。
モデルファクトリーハイギヤード製アクリル台座の使用方法は、モデルアート社「渡辺真郎の艦船モデルマスターDVD&MAGAZINE-基本編-」でも紹介しておりますので、ご興味のございます方は、ぜひご参照ください。
アクリル台座を取り付けた船体全景。表側のナットは瞬間接着剤で固定し、補強のために3mmのプラ角棒を貼り付けました。
飛行甲板も、船体と同様にエッチングに切り替える箇所はモールドを撤去します。写真の赤丸で示した部分は、甲板上から弾薬などと投棄するためのシューターで、これらものちほどエデュアルドのパーツで再生します。
飛行甲板裏側には、3mmのプラ角棒を貼りました。この角棒は船体のフレーム代わりとなり、船体側面のキャンバーを修正する効果があります。
艦橋は基本部が一体成型となり、甲板上に仮置きするだけで実艦のイメージに近づきました。次回は船体各部のパネルの取り付けに進みます。
強襲揚陸艦はシンプルな面構成とあって、パーティングライン処理やキャンバー修正などの基本的な処置が完成度を大きく左右します。次回もまだまだ基本部の組み立てが続きますので、引き続き丁寧な仕上げを心がけていきたいと思います。