艦船模型製作代行のご依頼をいただき、ホビーボスの1/700強襲揚陸艦「LHD-1 ワスプ(WASP)」を製作中です。
今回からは、船体舷側のキャットウォークの取り付けを進めます。キャットウォークはキットでもエッチングで再現するようになっているのですが、手すりや支柱などが省略されているため、エデュアルドのパーツに置き換えました。
エデュアルドのキャットウォークは、船体に取り付けてしまうと水平面の塗り分けが困難となるため、切り離し前に予めて塗り分けを済ませておく手順を採りました。まずはプライマー処理ののち、デッキ色のMr.カラー305番を全体に吹き付けてから水平部をマスキングしておき――、
垂直部の308番を重ねてマスキングを剥がすと、このような「塗装済みエッチングパーツ」の状態となります。
ワスプ級のキャットウォークはレイアウトが少々複雑で、艦首や中央付近は独特の二重構造となっているため、それらの組み立て手順をご紹介します。これはエッチングを切り出したばかりの状況で、左上が内側(一段目)右下が外側(二段目)となります。
各々のパーツを折り曲げた様子。内側は手摺とフレームが立ち上がっているのみですが、外側は支柱に二箇所の曲げが必要になるため、床下に回り込ませるようにして三角形状としました。
船体への取り付けは、まず一段目を船体舷側に接着。そしてその一段目の手すりに二段目の支柱(の垂直部)を接着する要領で仕上げます。この角度から見ると、まるで騙し絵の様で、もうひとつ立体感がつかめませんが……
見上げアングルだと二重構造が良くわかります。三角形状の支柱もこの角度から見るとなかなかに素晴らしい構造美を見せてくれます。
艦首両舷には小型のポケットや下部通路、ラッタルなどが備わっています。プラのモールドは予め切削しておいたので、あとはエッチングを順番に取り付けていくのみです。
艦中央部の様子。レドームのスポンソンや舷梯回り、艦載艇格納庫などの開口部にも手すりを配置しました。
右舷後部のエレベーター周りには、再び二重構造のキャットウォークを取り付けました。エレベーター下部のトラス構造も相まって、現用艦ならではのディテールが表現されています。
エデュアルドのエッチングは、組みやすさとディテールバランスに優れているので、個人的にもオススメです。今回は「切り出し前に塗り分ける」という珍しい工程で進めていますが、この手のキャットウォークを美しく仕上げるには、この手法が最も合理的かと思っております。
次回は、当工房公式ショップ「CHERRY&ANCHOR」の艦船模型完成品の入荷情報をご紹介します