広告 1/200戦艦『BB-39 アリゾナ』 1/200艦船 製作記事

1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】

2020年5月26日

  1. HOME >
  2. 製作記事 >
  3. 1/200艦船 >
  4. 1/200戦艦『BB-39 アリゾナ』 >

1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】

2020年5月26日

艦船模型製作代行のご依頼をいただき、トランペッターモデルの1/200戦艦『BB-39 アリゾナ』を製作中です。

今後はしばらく、船体の製作の様子をご紹介して参ります。

前回はこちら

非常に目立つパーティングラインと接着面

前回までに、巨大な船体の上下の接着が完了しましたが、船体の製作はここからが本番となります。

1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】
1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】

ご覧のように非常に目立つパーティングラインと接着面を見えなくしていく処理はひたすら地味な作業の連続になるのですが、モデラーとしての基本的な腕の差が大きく出るところでもありますので、慎重に仕上げていきました。

まずは全体に黒サーフェイサーを塗布

下地塗装と船体表面の状況確認のために、まずは全体に黒サーフェイサーを塗布しました。

1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】
1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】

なお、トランペッターモデルのキットには、離型材の脂分が大量に付着していて、そのままでは塗装できないので、事前に綿密な脱脂を行っています。

1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】
1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】

艦首付近を右舷側から見た様子。
見ての通り、船体の上下の接着部の合わせ目が非常に目立ちます。

こちらは船体中央部。

1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】
1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】

船体下部のパーツにはヒケも多く、この写真に収まる部分だけでも、目立つヒケが5カ所も確認されました。

もちろん、右舷だけでなく左舷側も同様でしたので、合わせ目とヒケの処理は並行して行うことにしました。

ポリパテを幅20mm程度の帯状に盛り付け

合わせ目とヒケの双方をカバーするため、船体上下の境界付近に、ポリパテを幅20mm程度の帯状に盛り付けました。

1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】
1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】

普段、私は合わせ目の処理には瞬着パテを使用することが多く、ポリパテは滅多に使用しないのですが、今回ばかりは合わせ目の段差やヒケの加減が瞬着パテでは補いきれなかったので、(自作のヘラで)1mmほどの厚みに豪快に盛りつけました。

1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】
1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】

パテが硬化したら、今後はひたすらド根性で削り込みます。

サンドペーパーは、板張りのものも含めて、まずは220番で粗削りを行い、続いて320番→400番→800番という順番で処理しました。

上の写真は、およそ合わせ目の段付きが解消し、船底部のパーティングラインが消えるまで削り込んだ様子です。

外周部の総延長が2メートル程もあるので、区画ごとに区切って慎重に処理しました。

1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】
1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】

最終仕上げで800番までペーパーをかけたといっても、再びサフを吹くと、消え切っていない粗目のペーパー傷が再び浮かび上がるので、今度は傷が残った部分を中心に、400番以上のペーパーで順番に再処理を行いました。

1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】
1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】

ここでは、400番→1000番→1500番という順番に仕上げていきます。
塗膜の厚さを意識しつつ、最終の1500番をかけた段階でサフが落ち、プラ地とパテ地が出てくるように神経を集中しながら進め、ようやく段差を完全に処理することができました。

1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】
1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】

再び、合わせ目にサフを吹いた様子。
合わせ目もかなり目立たなくなってきましたが、プラとパテの素材感の違いがあるため、どうしても下地が見えてきてしまいます。

そこで今回は、最後にもうひと手間をかけることにしました。

バフレックスによる研磨

これが最終処理として、バフレックスによる研磨を終えた様子です。

1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】
1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】

カーモデルの中研ぎや、デカールの段差落としに愛用しているツールですが、粒子が均一化していることで塗膜の地肌のキメを一定に整えることができるので、広い面積において、素材感の違いを消したいときにもたいへん役立ちます。

1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】
1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル:船体の合わせ目【2020年】

写真上側の処理前と比べると、差は一目瞭然です。

今回の1/200戦艦『BB-36 アリゾナ』の船体の下地処理は、この記事だけを見ると簡単そうに見えるかもしれませんが、実際には多少の試行錯誤もあり、丸4日ほどかかってしまいました。

とはいえ、船体上下の一体化は、『アリゾナ』をご依頼いただいたときから最も懸念していた事柄でしたので、無事に解決することができて安心しました。

次回は、船体舷側の外板継ぎ目のモールド追加や、船体の塗装についてご紹介します。

この記事をご覧いただきました皆様には、応援として下記バナーを一回、タップしていただけましたら幸いです。
いつもご投票いただき、ありがとうございます。

メディア掲載情報

  • 「渡辺真郎の艦船モデル・マスターDVD&MAGAZINE」モデルアート社より発売中
  • モデルアート社出版「艦船模型スペシャルNo94」に、1/700給兵艦「樫野」作例記事掲載中
  • オリコンニュースに渡辺真郎のインタビュー記事掲載中 「 プラモデル神作まとめ
  • 過去作品 約400点と製作記満載の旧ブログ「 HIGH-GEARedの模型と趣味の日常 」もぜひご覧ください


CHERRY&ANCHOR おすすめ情報

モデルファクトリーハイギヤード公式webショップ「CHERRY&ANCHOR https://www.cherry-anchor.com/ 」にて、1/700洋上艦船模型用 アクリル作業台&展示台【戦艦、航空母艦用】発売中です!

1/700洋上艦船模型用 アクリル作業台&展示台【戦艦、航空母艦用】

洋上艦船模型の底板に200mm間隔の穴を開けて当商品にビス固定することで、作業時の持ち手とすることができ、完成後は展示台としても使用可能。

また、スモーク色の半透明アクリル板で製作していることから裏側からの視認性も確保しており、塗料の汚れなどもシンナー拭きでかんたんに落とせます。

当台座の使用方法は、モデルアート社から発売の「渡辺真郎の艦船モデル・マスターDVD&MAGAZINE」でも紹介しております。


展示会出展情報

「奈良模型愛好会 春展2025」

  • 日時:未定
  • 開催場所:サンタウンプラザ すずらん館(予定)

常設展示情報

  • 自衛隊奈良地方協力本部(奈良第2地方合同庁舎)玄関ロビーに1/35「陸上自衛隊 74式戦車」展示中
  • ミリタリースケール専門店「ホビーランド」に、1/700戦艦「霧島」展示中
  • 「ジョーシン和歌山店 キッズランド」に、1/700航空戦艦「伊勢」、航空母艦「ワスプ」展示中

累計取引数800作以上、書籍掲載100作以上、受賞歴多数。圧倒的な実績と信頼性。

お問い合わせはこちら

「プラモデルを代わりに作ってほしい」という方はモデルファクトリーハイギヤードにぜひご相談ください。
1000作以上の模型を作ってきた、プラモデル製作・考証のプロが丁寧に対応いたします。

渡辺 真郎まさお

艦船模型製作代行 モデルファクトリーハイギヤード 代表

2001年3月から艦船模型の製作販売をおこなう。模型製作会社への就職を経て独立。2010年にモデルファクトリーハイギヤードを開業。
模型製作代行のほか、模型誌の作例記事・連載企画、考証記事を執筆。
モデルアート社出版『月刊MODEL Art』『艦船模型スペシャル』、イカロス出版『モデリングガイド』など。

-1/200戦艦『BB-39 アリゾナ』, 1/200艦船, 製作記事
-,