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1/700航空母艦「CV-41 ミッドウェイ」その16 甲板処理 前編

2024年8月13日

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1/700航空母艦「CV-41 ミッドウェイ」その16 甲板処理 前編

2024年8月13日

艦船模型製作代行のご依頼をいただき、オレンジホビー1/700航空母艦「CV-41ミッドウェイ」を製作しております。

今回は甲板処理の前半として、白線やエレベーター周りの警戒線などの表示類を進めていきます。これはキットに付属している水転写デカールで、艦橋に貼り付ける艦番号や船体、装備品に貼り付けるマーキングなどがまとめられています。

一方、驚いたのがアングルドデッキの白線標示で、これは水転写デカールではなく、インレタで用意されています。

インレタは水転写デカールのように、目立たない箇所で試してみることができず、一発勝負となる点が難点です。これは、インレタツールでなぞる前に飛行甲板上に仮置きした状態ですが、長さが大幅に長いうえ、策具などを避けるラインもかなりズレが激しく、前途多難を予想させました。

ですが、結果は予想を遥かに上回るほどにカオスな状況となりました。そもそもインレタの糊がかなり劣化しており、甲板に貼り付かないばかりか? 糊の一部が糸を引くような感じで、当初の予想を上回る酷い仕上がりとなりました。

仕方がないので、上手く貼り付かない箇所を剥がしてリカバリーに備えますが、貼り付いたところは貼り付いたところで非常に強固に固着しており、糊がゲル状で糸を引くことから、サンドペーパーで削り落とすこともできません。

そこで、再剥離可能な両面テープを使用し「貼って剥がす」を繰り返しつつ、ゲル状の糊とインレタを順次剥がしていきました。

代表 渡辺真郎
代表 渡辺真郎

レジンキットの塗装経験者ならお分かりいただけると思いますが(脱脂&プライマー処理をしているとはいえ)塗膜の剥がれを心配しつつ、粘着テープを貼ったり剥がしたりするのは地獄のような作業です。

テープを使ってチマチマ剥がし始めて約3時間。なんとかインレタ貼り付け前に戻すことができました。心配していた塗膜剥がれは、アレスティングワイヤー周りにのみ少し生じてしまいましたが、タッチアップで分からないレベルまで修正できました。

気を取り直して、白線の塗装表現に進みます。通常、白線を塗装表現するさいには「先に白を吹いて線をマスキングする」過程を採ることが多いのですが、今回は「白線部のみを残すマスキング」をする必要があったため、かなりのマスキング面積となりました。

また、白線以外に警戒線もあるので、これも塗装表現しました。太さは0.4mm程度の極細なので、線の太さを均等に保つように注意が必要です。

警戒線は紅白線ですので、白を塗装したのち、2mm幅の細切りテープで等間隔にマスキング。更に上から赤を重ねて、水転写デカールの警戒線と色合いを合わせました。

白線中央にも黄色の破線を入れて、白線の塗り分け完了です。一見、劣化インレタで大事故を起こしたようには見えない仕上がりとなり、ホッとしました。

代表 渡辺真郎
代表 渡辺真郎

オレンジホビーのミッドウェイを購入されたユーザーのレビューを見る限りでは、白線デカールは普通に水転写マークだったケースもあるようなので(もし途中でインレタに変わったのだとしたら)少々いただけない変更と思いました。
今回製作したキットはパーツの不足など、ハズレ要素が多いのが辛いところですが、甲板処理も中盤を過ぎましたので、引き続き集中していきたいと思います。

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  • 日時:未定
  • 開催場所:サンタウンプラザ すずらん館(予定)

常設展示情報

  • 自衛隊奈良地方協力本部(奈良第2地方合同庁舎)玄関ロビーに1/35「陸上自衛隊 74式戦車」展示中
  • ミリタリースケール専門店「ホビーランド」に、1/700戦艦「霧島」展示中
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渡辺 真郎まさお

艦船模型製作代行 モデルファクトリーハイギヤード 代表

2001年3月から艦船模型の製作販売をおこなう。模型製作会社への就職を経て独立。2010年にモデルファクトリーハイギヤードを開業。
模型製作代行のほか、模型誌の作例記事・連載企画、考証記事を執筆。
モデルアート社出版『月刊MODEL Art』『艦船模型スペシャル』、イカロス出版『モデリングガイド』など。

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