現在、業務の方は「艦船模型スペシャル」誌次号の作例製作に集中していることから、これからはしばらくプライベート作品の製作記や、その他の趣味、自衛隊の訪問記などをご紹介します。今回は模型製作に纏わる小ネタとして、今年夏に塗装環境の再構築をおこなったときの記録です。
従来の塗装環境の紹介
ちょっと汚い写真で恐縮ですが、これは当工房のこれまでの塗装環境です。これは塗装場用に組んだスチールラックで(左に見えるドライブースを挟んで)組み立て用の卓と事務作業用のパソコンデスクがあり、キャスター椅子でこの3つの卓を移動する日常を送っております。
塗装ミストの吸出しブースには、タミヤの「スプレーワーク ペインティングブース II(ツインファン)」を使用。このブースは文字通り、ファンが2基がけとなっており、非常に安定感のある吸引力を発揮してくれます。
そしてコンプレッサーですが、メインで使用しているのは(先程の写真の斜め上にも写っていた)タミヤの「スプレーワークパワーコンプレッサー」です。このコンプレッサーは最大圧力0.4MPaと、1/350大型艦を塗装するにも充分な出力を持ち、ハンガー一体式電源スイッチの採用による優れた作業性が持ち味で、個人的にもお気に入りの逸品だったのですが――、
コンプレッサーの故障による入れ替え
2024年8月14日。タミヤのコンプレッサーが突然、作動しなくなりました。ハンガースイッチのトラブルは良く聞くので、スイッチを外して再起動したものの不動のまま。タミヤのサポートはお盆期間中で修理対応には時間がかかることが予想され、同じ機種は新品がなく、中古価格も少々高騰気味。
一応、予備機として「リニアコンプレッサーL5」を用意してはいるのですが、大面積の塗装にはいささか心もとないため、レイウッドのPROFIXシリーズ「ニトロコンプ」を急きょ導入することになりました。
今回、導入したのは「NITRO-COMP V2」という製品で、3Lタンク一体型ということもあり、ホビーとしては割と大柄のモデルです。コンプレッサー本体の出力はパワーコンプレッサーと同等で、実売価格は2万円台前半。高出力コンプレッサーとしては、コストパフォーマンスの高い品です。
RAYWOOD ニトロコンプ V-2 の使用感
使用感のレビューの前に、まずは私が使用しているハンドピースを紹介します。メインで使用しているのは、GSIクレオスの「プロコンBOY PS290 LWA トリガータイプ」で、ソリッド用、メタリック用、クリアー用の3本を用意。2年ごと1本をオーバーホールに出しつつ、ローテーションして使用しています。
口径は0.5mmと大面積の塗装に適したサイズですが、ある程度のエア圧ないと出力が安定しないため、コンプレッサーの質が重要になってきます。
これは「NITRO-COMP V2」を使用して初めて塗ってみた1/35ミリタリーフィギュア。迷彩色のベース塗装に使用したのですが、出力も安定しており、短時間でムラのない仕上げが実現できました。タンク一体型ということもあり、大口径のピースでも圧が程よく安定しており、安心感があります。
RAYWOODとGSI クレオスのサポート体制
高出力で安価なコンプレッサーとなると、あとは耐久性とサポートが気になります。実際、使用者のレビューの中には故障やトラブルの事例もありましたので、私も気になってSNSに投稿したところ――、
すぐに公式からフォロー&リプライをいただき、カスタマーサポートへのリンクを貼っていただきました。お盆期間中にも関わらず、このスピード感には心強さを感じます。
ちなみに先ほど「ハンドピースは2年周期でオーバーホール」と書きましたが、GSIクレオスも、サポート体制は非常にしっかりとしています。これは、プロコンBOYをオーバーホールしたときの記録写真ですが、交換部品のリストや試し吹きの結果も添付されており、使用感は新品同様に戻りました。
もちろん、タミヤのサポートが充実しているのは言うまでもありません。パワーコンプレッサーは近々修理に出し、次の予備機に回そうと思います。
塗装機材は長い付き合いになることが多いので、サポート体制がしっかりしている企業の製品を選んでおきたいものです。