船舶模型製作代行のご依頼をいただいて製作した、ホビーボス1/700ホワイトスターライン「RMS オリンピック」の製作記(徴用時→商船時への逆改修)をご紹介しております。
使用するキットは、同時進行していた「RMS タイタニック」と同じくホビーボスの製品です。「RMS オリンピック」は、第一次世界大戦時に軍の徴用で部隊輸送の任務に就いていたことから、キットも徴用時の武装追加&迷彩塗装の仕様となっているのですが、今回はお客さまから提供いただいた資料をもとに、客船時代の装備&塗装への改修をおこないました。
製作工程は「RMS タイタニック」とほぼ同じですので、ここでは主に2隻の差異に焦点を当てた工程記事をご紹介します。まずはフルハルモデルの船体の吃水線下をカットし、海面ベースを製作しました。
続いては船体およびデッキの塗装と、木製甲板シートの貼り付けです。2隻のデッキ構成は概ね同じですが、目立つ箇所では船尾のウェルデッキの平面形が異なるので、木製甲板もその形状に合わせて切り詰めて使用しています。
続いてはプロムナードデッキの外壁取り付けです。ここは2隻の大きな識別点となる箇所で、ネームシップである「RMS オリンピック」が全面的に吹き抜けになっているのに対し、2番船の「RMS タイタニック」では前半部がガラス窓が取り付けられた半室内状に変更されているのが特徴です。
プロムナード外壁取り付け後の2隻の比較画像。「RMS タイタニック」と比較して「RMS オリンピック」は吹き抜け箇所が広くなっていることが分かります。
ボートデッキまでの取り付けを終えた様子。2隻の差異は、まだ「同じと言えば同じような?」「違うと言えば違うような?」という微妙なラインです。
「RMS オリンピック」は、処女航海で沈没した2番船「RMS タイタニック」や、第一次世界大戦にて戦没した3番船「RMS ブリタニック」とは異なり、1935年に退役するまで24年におよぶ長い就航期間を全うしました。
タイタニックは映画のヒットなどもあって人気が高い客船ですが、いっぽうで「大惨事を起こした悲劇の船」という辛い背景もありますので「もっと縁起の良い船を作りたい」という方は、敢えてオリンピックをチョイスされるのも良いかもしれません。