艦船模型製作代行のご依頼をいただき、フジミの1/700アメリカ海軍航空母艦「CV-63 キティホーク」を製作中です。

今回は飛行甲板上のデカールのマーキングを進めます。作業に先立って船体と飛行甲板の接着を済ませ、別に塗装してあったエレベーターも取り付けました。

デカールは、キットをお持ち込みいただいたときにはかなり黄ばんでいましたが、天日に当てて3日ほどで白さを取り戻しました。

黄ばみを抑えたとはいえ、フィルムが劣化しているのは間違いないので、マイクロスケールの「リキッドデカールフィルム」を全体に塗布し「バラけ防止」の処置を施しました。

リキッドデカールフィルムを塗布したことで、余白同士が繋がってしまいますので一枚一枚、アートナイフで切り出しつつ貼っていきます。

まずはアングルドデッキを処理。糊が劣化していたので、タミヤのデカール糊を使用しました。キットの説明書では、白線は全て繋げる指定でしたが、デカール側はジェットブラストデフレクターを避けるレイアウトになっていたので、現物合わせで小変更を加えました。

続いて矢印表示や艦番号、各種警戒線を仕上げていきます。リキッドデカールを使っても、古いデカールは破れが生じることがありますが、今回は幸いにして、敗れは1カ所程度で済みました。

リキッドデカールの副作用として、デカールが乾燥するに従って反り返ってくる問題があります。多くの箇所はマークセッターを流して抑えることで密着してくれましたが、筋掘りモールドがある箇所や角になっている部分はどうしても密着してくれないので――、

最終的には綿棒と半田ごてで抑え込みました。まず、綿棒を水に浸けて湿らせ、直ぐに半田ごてで(湯気が上がる程度に)加熱します。

デカール側の密着しない箇所に切り込みを入れ、スチーム発生中の綿棒で抑え込みます。気泡が抜けきれない箇所も、同様に「切り込み→スチーム綿棒」で密着させました。

最終的には、ほぼ全面にスチーム綿棒の処理を施しました。黄ばみもそれほど目立っていませんので、26年落ちのデカールとしては充分な仕上がりになったと思います。

艦載機に引きづづいて飛行甲板のデカール貼りも少々手間のかかる展開となりましたが(その甲斐あって)当初の予想を上回る仕上がりとなりました。あとは艦橋と細やかな装備品を残すのみですので、ラストスパートで頑張ろうと思います。