艦船模型製作代行のご依頼をいただき、1/700巡洋戦艦「フッド」を製作中です。今回は船体の基本部の製作記事の3回目です。

今回は船体基本部の最終章という事で、シェルターデッキ処理をご紹介します。まずはデッキ色の塗り分けですが、ここは説明書の塗装図に従って最初にMr.カラー41「レッドブラウン」を塗り――、

続いて、某座周りにタミヤカラーラッカー塗料のLP-12「呉海軍工廠グレイ」を差しました。ここは少々、マスキングが面倒な箇所です。

木製甲板には、フライホークの別売り純正品を使用しました。シェルターデッキは2枚用意されていますが、説明書にはこの2枚についての詳しい記載はなく、細部を見比べても違いが分からなかったので、写真上側のシートをチョイスしています。(合わないところは一切ありませんでした)

木製甲板は、裏側の糊だけでは木温&湿度による収縮差で剥がれが生じるので(長期間、良好なコンディションを保つには)接着が必須になります。この写真は、私が最近、大いに気に入っている「アロンアルフア 光」ですが、この接着剤は木製甲板の接着にもたいへん有効です。

「アロンアルフア光」は通常の瞬間接着剤より効果時間に余裕があるので、木製甲板裏側に塗布して、ヘラなどでなるべく均一に均し――、

貼り付け後、きっちり位置を合わせてからUVライトを照射して完全硬化させます。従来の瞬間接着剤なら効果促進スプレーを使うところですが、UVライトなら空気を汚すこともなく、エポキシ接着剤の様な待ち時間も必要としないので、作業効率は爆上がりです。

こうして、シェルターデッキ下側の開口部の内側も綺麗に処理できました。完成後はほとんど見えない箇所ですが、実艦の構造や隔壁のレイアウトが見られて興味深いポイントです。

全体像。木製甲板はシェルターデッキ上も含めて、計4枚で構成されていますが、純正品だけあってフィッティングはバッチリでした。

シェルターデッキ取り付け後の開口部付近の様子。開口部の内側は、木製甲板を貼ることでデッキのレベルが僅かにあがってしまいますので、支柱の先端を0.3mm程度カットして対処しました。

これで船体の基本部が完成し、巡洋戦艦らしい長大で流麗な船体が姿を現しました。

今回は、武装より船体を先行して製作を進めています。「フッド」はデッキ上のベンチレーターなどの小物の点数が非常に多いのが特徴ですが、主要構造物の位置が決まらないとそれらの取り付けもできないので、次は構造物を進めます。
キットの構成上、普段とは真逆の工程を採っていますが、そのぶん、工程初期から完成後の姿がイメージしやすくなっておりますので、最後までぜひご覧ください。