艦船模型製作代行のご依頼をいただき、フジミの1/700重巡洋艦「高雄」を製作中です。

今回は主にエッチング甲板の取り付け工程をご紹介します。使用したのはフライホークのエッチング甲板で、ダイヤモンドシリーズのスーパーディテールセットとは別売りになっている上級者向けパーツです。

エッチング甲板を使用するにあたって、まずはデッキ上モールドを全て削りました。フジミの高雄は、通風筒やリール、ハッチなどのほか、橇式機銃座や弾薬箱まで一体となっているのですが、一番の問題点は(第五主砲塔左右)の洗い場のモールドがブルワークの様に高くなっている点で、ここはエッチング甲板を使用しない場合も削っておいた方が良いです。

話題が前後しましたが、これが黒サフ後に全てのモールドを撤去した様子。通風筒をアドラーズネストの真鍮挽物パーツに切り替える関係で、ボラードも(挽物パーツに変えてバランスを整えるために)撤去しました。

エッチング甲板を仮置きした様子。この甲板はほとんどの面をカバーしてくれる一方で、モールドをそのまま使う箇所も少しありますので、「どこを残さないといけないか?」を事前にチェックしておくことをお勧めします。

エッチング甲板は、接着前に400番のペーパーを軽くかけて足付けをしておきました。この処理をやるだけで接着力が増し、事後変化での剥がれを防止してくれるので、オススメです。

デッキ側もペーパーでしっかり均し、再び黒サフを吹いて接着に備えます。

接着中の様子。デッキは少しキャンバーが付いているので、軽く丸みをつかせてからゼリー状瞬間接着剤をデッキの裏側に塗布して固定し――、

プラ用流し込みセメントの「Mr.セメントSP」を流しながら位置を合わせ、最後に流し込み瞬間接着剤を(ハッチの穴や外周部から)流し込んで完全に固着させます。
セメントSPは、ゼリー状瞬間接着剤の硬化を遅らせることができるので、瞬間接着剤を使う際の位置合わせに便利です。(←剥がし液代わりにも使えます)

これで、エッチング甲板の貼り付けも完了しました。外舷部の塗装も並行して進めているので、次回はそれらとデッキ上の処理の後編をご初会します。

エッチング甲板は「ただ貼れば良い」というわけではなく、モールドの削り取りと再生が必須となるので、少々ハードルの高いパーツです。剥がれ防止に気を使うことも多いので、この記事が今後使用を予定しているモデラーの皆さまの参考になれば幸いです。


