艦船模型製作代行のご依頼をいただき、フジミの1/350航空母艦「翔鶴」を製作中です。

今回は飛行甲板塗装の後編です。木甲板部の塗り分けが終わった段階でエレベーターの取り付けをするのですが、塗装前に軽く表面にパネルラインを入れ、ディテールの密度をアップさせました。使用した工具は、スジボリ堂のBMCタガネ0.2mmです。

エレベーターを取り付けた様子。同じタイミングで、遮風索の収納部のエッチングを組みました。

続いては鉄甲板部の塗り分けに進みます。ここで役に立つのが、モデルファクトリーハイギヤードの専用マスキングシート。1/350航空母艦「翔鶴」用は、このような鉄甲板部の専用シートを用意しています。

木甲板色を塗った後に、木甲板部用のシートを貼った様子。伸縮接手の部分が開いてますが、今回はプラ板で自作するため、6mm幅のテープで塞ぎました。

フジミキットは、伸縮接手の部分が溝の様に窪んでいるので、プラ帯材を塗装して上貼りしました。

プラ材による伸縮接手の取り付けが完了した様子。これで、甲板表面が数段、平坦に仕上がりました。

続いては白線塗装ですが、主要部は専用マスキングシートの白線用シートよりもテープの方が直線を出しやすいので、1.5mm幅と2mm幅の細切りマスキングテープで、基準となる直線を引き――、

テープで引いたラインの外側を覆うようにマスキング。基準となるラインのテープを剥がしたのち、破線と艦名表示、風向線などのシートを割り込ませました。

最後に、高角砲位置の警戒線と、艦載機の発艦限界線(?)、艦尾の着艦表示の紅白ラインを引きました。これらのマスキング用シートは、モデルファクトリーハイギヤードの1/350航空母艦「翔鶴」専用マスキングシートにも付属しています。

塗り分けを終えた飛行甲板の全景。制動策や遮風索がまだついていないので、多少間延びしている印象ですが、これで飛行甲板の基本塗装が完了しました。

木甲板の色調の差異表現は、ある程度の経験が必要ですが、大型正規空母の場合は(ディテール感の間延びを防ぐという目的では)たいへん効果的です。特に翔鶴型は木甲板部の面積も広く、鉄甲板部とのコントラストも効いていて、模型抜群という印象です。


