艦船模型製作代行のご依頼をいただき、1/700巡洋戦艦「フッド」を製作中です。今回からは船体の基本部の製作記事を全3回に分けてご紹介します。

フライホークの1/700キットには、洋上モデル限定のものもありますが「フッド」はフルハルとのコンパチキットとなっています。今回はお客さまより洋上モデルとしての製作をご依頼いただいておりますので、吃水線下には吃水板を取り付けました。

作業にあたって、まずは当工房モデルファクトリーハイギヤードのアクリル作業台&展示台1にネジ止めしました。こうすることで、作業中の船体を直接持つ必要がなくなる点もメリットですが、アクリル作業台に取り付けた状態で船体やデッキの接着を進めることで、反りを最小限に抑えることができるのも大きな利点です。(ナットはプラ角棒とエポキシ接着剤で固定しました)
●1/700洋上艦船模型用 アクリル作業台&展示台1【戦艦、航空母艦用】
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船体にデッキを取り付けたら(ディテールアップパーツへの切り替えに備えて)不要なモールドを削ります。赤丸印の部分はボラード、黄丸はリールで、写真には写っていない船体中央部のモールドにも同様の処理をおこないました。

モールド撤去後の艦首周り。このタイミングで錨鎖も削り、1mm径のドリルでホースパイプを開口しました。

ボラードには、シップヤードワークスのスーパーディテールセットに付属しているレジンパーツを使用しました。なお、シップヤードワークスのセットには、ホーサーリールのケーブル部も含まれています。

ボラードと錨鎖をディテールアップに切り替えた様子。錨鎖には、モノクロームの超精密チェーンを使用しました。

続いては中央甲板の隔壁の製作です。ここはシェルターデッキを取り付けるとほとんど見えなくなってしまいますが、複雑な隔壁が側面ディテールも豊富に表現されています。

内部隔壁取付後の様子。この区画には副砲塔が配置されていた時代もありますが、フライホークキットは撤去後の設定でモデリングされています。

これまで、フライホークの1/700欧州艦艇は計4隻ほど製作して参りましたが、フッドのパーツ構成は特に気合が入っているというか? 見えないところまで徹底的に再現したいという開発者の情熱が伝わる構成です。次回はシェルターデッキの加工や下地塗装などの工程をご紹介します。