艦船模型製作代行のご依頼をいただき、フジミの1/700戦艦「扶桑」を製作中です。

今回は艦橋製作記の後半を一気にご紹介します。まずは中断部から上部にかけての製作ですが、ここはエッチングの補強材を挟み込むことになるため、工程が少々複雑です。

「コの字」状に曲げたエッチングの補強材に2層のフロアを差し込み、両脇に探照灯スポンソンと後部の居住区を接着。支柱を通しつつ、位置を合わせますが、そのままでは上層のフロアを差し込めないので、何度も抜き差ししながら各ブロックの位置を少しずつ調整しました。

写真左側が補強板の上層に差し込むフロアパーツで、右側が後部の機銃座です。窓枠は例によってモールドを削り、純正エッチングパーツに切り替えました。

中段のフロアを全て組み込んだ段階で、後部の支柱2本も差し込みました。これでおよその位置が決まるので、流し込みセメントを差して完全に固着させます。

別角度。このアングルで見ると「扶桑」の艦橋は本当に複雑な構造体として成り立っていることが伝わってきます。

正面からの艦橋全景。これで中段部までが仕上がったので、引き続き上層に向けて作業を進めます。

上層に向かうにつれて各層の高さが低くなり、フロアの枚数も増えてきますので、接着面に隙間をなるべく生じさせないように重ねていきました。なお、写真右側の支柱はフロアの一部を貫通させて取り付けなくてはいけないため、組み立て順にも注意が必要です。

艦橋の上層パーツを組み込んだ様子。支柱前後の構造体とフロアのサイズにほとんど余裕がないことが分かります。

あとは最上層を残すのみです。扶桑の艦橋を製作していると「積んでも積んでも、まだ上が残っている」という印象があり(管制装置の多さも相まって)毎回、忍耐力を試される思いです。

概ね全てのパーツの組み込みを終えた様子。アンテナ類のみ、破損防止のために取り付けを後回しにしていますが、空中線支柱はプラだと強度不足なので、この段階で0.3mm径の真鍮線に切り替えました。

フジミの扶桑は、これまで10隻程度は製作してきたと思いますが、前部艦橋の製作は未だに緊張します。
少しでもズレがあると全体に影響して垂直を保てなく可能性があるので、今回も慎重に作業を進めました。次回は艦橋の塗装と設置、小物類の取り付けなどをご紹介します。


