船模型製作代行のご依頼をいただき、ポントスモデル1/700戦艦「大和」【天一号作戦仕様】の製作記をご紹介しております。1/700艦船模型の製作記としては異例の長さとなりましたが、今回が製作記の最終回となります。

艦船模型の最終工程は、再び地味な作業に戻るのが定例ですが、今回も例によって小物類とひとつひとつ仕立て、個別に塗装してから取り付ける手順となりました。ポントスキットの場合、通風筒やハッチなどの小物も複数のエッチングを組み合わせる構成ですので、最後まで気が抜けません。

前回の工程でご紹介したホースリールの塗装後の様子。全部で6種類あるので、割り箸にテープで貼り付けた段階でナンバリングをしておくと安心です。

機銃類も、全て個別塗装しました。これはシールドなしの25mm三連装機銃ですが、シールド付き三連装機銃や25mm単装、13mm連装機銃も同様に処理しています。

艦載機と艦載艇も、エッチングと真鍮パーツてんこ盛りですが、塗装を済ませたことで一体感が生まれ、洗練度が高まりました。

最上甲板外周部の手摺りは、いつものように切り出し前に塗装を済ませ、接着後にゲート部をタッチアップして仕上げました。

リールや手すり、ハッチやウインチなどの小物を取り付けた様子。波除板や消化ホースも個別に塗装し、フルエッチングの弾薬箱は(説明書には取り付け指示がなかったので)1/350のタミヤ版を参考に配置としました。

航空作業甲板はリノリウム歩行帯と残った軌条を取り付けました。リノリウム押さえ金具の塗膜を剥がして真鍮地を露出させ、アクセントとしています。

舷側部など、外舷色の箇所にはタミヤエナメルの「XF-1 フラットブラック」をペトロールで溶いたものでウォッシングし、縦方向の筆ムラを出しつつふき取って雨染みを表現。更に、Mr.ウェザリングカラーの「ラストオレンジ」で軽めの錆表現を加えました。

木甲板にはエナメルブラックのでウォッシングに加えて、タミヤのスミ入れ塗料「ブラウン」を重ねて奥行きを出しました。エナメル塗料を重ねる前には木製甲板表面に艶消しクリアーを予め塗布しておき、塗料が必要以上に吸い込まれないように処理しています。

空中線には0.1号のメタルリギングを使用し、部分的にグレーサフを載せて碍子表現を施しました。旗は説明書には取り付け指定がなかったのですが、軍艦色と中将旗を掲げています。(写真は中将旗の取り付け前です)

最後にオマケ画像。姉妹艦や年代違い用のパーツがまだ少し残っていますが、これだけ大量のエッチングパーツがほぼ全てなくなってしまったことに驚かされます。(写真には写っていませんが、この3枚以外に大判のステンレスエッチングが更に1枚あります)

エッチングや真鍮パーツがどれだけ精密でも、最終工程の塗装と仕上げが中途半端では台無しになりますので、最後まで集中して仕上げました。ポントスモデルの1/700戦艦「大和」は噂にたがわぬ難物でしたが、無事に完成させることができて安堵しています。次回の完成写真も是非、ご覧ください!