今月28~29日に大阪で開催された「モデラーズフェスティバル2023」に参加して参りました。今回は、そのレポート前編として、普段、ご交流をいただいているモデラーの皆さまと、今回はじめてご交流をいただいた方々の作品をご紹介します。
「モデラーズフェスティバル」会場は風光明媚な港湾施設
階催場所は、大阪南港ATC(アジア太平洋ドレ―ドセンター)です。この時期のATCはハロウィンなどのイベントも重なり、子供から大人まで、多くのお客さまで賑わっていました。
ATCは「さんふらわあ」のフェリーターミナルを兼ねた施設とあって、海側の埠頭には出港準備中の「さんふらわあ くれない」「さんふらわあ さつま」の勇姿を見ることもできました。(28日撮影/翌29日は「むらさき」「きりしま」が停泊)
交流ある皆さまの作品の一部をご紹介
これは、当日お声がけをいただいた、明石模型クラブのSさんが製作されたドイツレベル1/700キュナードライン「クイーン・メリー2」。ブリッジの合わせ目の処理や、バルコニー&ガラス入り手すり、天蓋などの塗り分けの苦労など、このキットを組んだ者同士でしか分かりえない話題(笑)に花が咲きました。細部まで非常に丁寧に仕上げられていることに加えて、高級感のある木製台座が取り付けられるなど、ミュージアムモデルの貫禄充分でした。
こちらは「海道塾」というディーラーを運営されている、たのおま@72labさんが開発&頒布された、1/700フェリー「さんふらわあ さつま/きりしま」の完成見本。3Dプリントで抜かれた船体は非常に整った仕上がりで、私も1隻購入しました。商船模型への熱意が伝わる完成度&お人柄で、今後のバリエーション展開も楽しみです。(「さんふらわあ さつま/きりしま」製作の様子は、のちほどブログにも掲載予定)
「モデラーズフェスティバル2023」には、艦船模型の有名モデラーも多数参加されていました。この駆潜艇は著名な艦船モデラーで、静岡いらいの再会となる笹原大(R工廠)さんの作品。1/700とはとても思えない細密表現が多くの来場者の注目を集めていました。
こちらは、いつも奈良模型愛好会の展示会などにも良くご来場いただいている、たかやまさんによる1/700潜水母艦「駒橋」。キットにない艦艇をスクラッチする技術と熱意に、いつも驚かされていますが「丁字形状」にカットされた港湾表現にも素晴らしいセンスを感じます。
私がまだアマチュアモデラーだったころからお付き合いいただいている、Oh!磯さんは、1/350フルハルモデルを全力出撃させておられました。これはフジミの1/350戦艦「山城」で、姉妹艦「扶桑」と比較してあまり見かけることの少ない「山城」特有の構造美をじっくりと拝見させていただきました。いままで製作代行などでご依頼いただいたことのない戦艦ですが、いつかは私も作ってみたいと思います。
こちらは「戦時輸送船ビジュアルガイド」などの著作で有名な、岩重多四郎さんによる艦船画の展示です。この「響」はヤマシタホビーのキットのパッケージアートに使用されたもので、綿密な考証記事の執筆からフルスクラッチ、そして素晴らしい絵画を生み出す画力に至るまで、豊富な才能に脱帽いたしました。
飛行機モデルでは、モデルファクトリーハイギヤード所属モデラーで、模型誌ライターとしても活躍中の清水雄平さんが新作を多数、出展されていました。中でも注目は、航空自衛隊の洋上迷彩が施されたコルセアとアパッチです。実機に詳しいモデラーならでは説得力を持つ架空機は、多くの飛行機ファンの注目を集めていました。
SF部門では、私と同じ奈良県在住のワンコロさんの作品を(同じ展示室で)じっくり見せていただきました。ワンコロさんは普段、(建築模型などの)産業模型の製作会社に勤務されていることもあり、こうしたドックのフレームや展示映えするベースの作成はお手の物なのですが、今後の作品に向けての悩み事などをお聞きしていると、案外、私と同じようなことで悩んでおられることが分かり、親近感をおぼえました(笑)
こうした大規模な合同展示会は、多くの方との情報交換や新たな人脈づくり、そしてなにより製作へのモチベーションアップに繋がりますので、これからも積極的に参加していきたいと思います。